作家でエッセイストの阿川佐和子作家でエッセイストの阿川佐和子 Photo:SANKEI

エッセイストの阿川佐和子と
『赤毛のアン』翻訳者の村岡花子

 東京・港区にある中高一貫6年制の私立女子校だ。「敬神奉仕」が学院標語で、キリスト教に基づく教育を行っている。1884年に東洋英和女学校として設立され、すでに校歴140年余を誇る。

 活躍ぶりが目立つ卒業生といえば、エッセイスト・小説家、司会者、タレントの阿川佐和子(1953年生まれ)であろう。99年には講談社エッセイ賞を受賞、2012年に著した『聞く力』はベストセラーになり、14年には菊池寛賞を受賞している。

 阿川は文化勲章受章作家の阿川弘之(旧制広島高等師範学校附属中学・現広島大学附属中・高校卒)の長女で、東洋英和女学院の中・高等部を経て慶応大文学部西洋史学科を卒業した。

 テレビのニュースキャスターやバラエティー番組などで、適度にツッコミを入れつつ進行を上手にリードすることで存在感が高まり、同時に文筆の才も発揮して人気を不動のものとした。15年には博物館明治村(愛知県犬山市)の4代目村長に就任した。

 50年余り、一途にこつこつと翻訳を続け、ついには翻訳出版で戦後に多くの読者をとりこにした村岡花子(1893~1968年)という旧制東洋英和女学校時代の卒業生もいた。52年に刊行されたカナダの作家モンゴメリの『赤毛のアン』シリーズの翻訳本が、一大ベストセラーになった。明晰(めいせき)で読みやすい日本語の文章が、読者の胸に響いた。

 娘の村岡みどりと、孫の村岡恵理も東洋英和卒だ。文筆家の恵理は花子の生涯をまとめた『アンのゆりかご』を著した。これは、NHKの14年度前期の連続テレビ小説『花子とアン』の脚本の原作として使われた。