パリ五輪の陸上女子やり投げで
金メダルを獲得した北口榛花

北口榛花パリ五輪の陸上女子やり投げで金メダルを獲得した北口榛花

「文武両道」を体現している高校だ。北海道のほぼ真ん中に位置し、札幌に次ぐ第2の都市・旭川。ここに前身の北海道庁立上川中学校が設立され、戦後の学制改革によって道立北海道旭川東高校となった。通称は「旭東(きょくとう)」、あるいは「東高(とんこう)」だ。

 パリ五輪が8月11日、幕を下ろした。11日未明(日本時間)に行われた女子やり投げ決勝で、日本代表の北口榛花(はるか、26=日本航空所属=)は、65メートル80で優勝した。日本の女子陸上競技では、マラソン以外で初の金メダルに輝いた。北口は旭川東高校の出身であり、この歴史的快挙に同校の生徒、教職員、卒業生それに旭川市民は、喜びにわきかえっている。 

 北口は「東高」3年だった2015年、陸上の世界ユース選手権女子やり投げで金メダルをとった。「世界一」の実績をひっさげ、日本大学スポーツ科学部に進んだ。陸上競技で多くのオリンピアンを輩出している大学だからだ。

 16年5月の大会で当時の日本歴代2位の記録をマーク、順調に滑り出したものの、その後は低迷が続いた。現状を打破しようと北口は海外へ目を向けた。講習会に参加するため訪れたフィンランドで、やり投げ強豪国のチェコでジュニア世代を教えていたダビド・セケラクコーチと出会った。19年2月にはチェコに向かい、現地で直接、セケラクコーチから指導を受けるようになった。

 21年夏の東京五輪では、決勝まで進出したものの12位に沈んだ。23年のブダベスト世界選手権で、66メートル73の大投てきを見せ優勝した。