なぜ長嶋茂雄はスランプに陥らなかったのか?「超一流」と「一流」の決定的な違いPhoto:SANKEI

不調や失敗が続くと、人はすぐに自信を失ってしまう。しかし、本当に「スランプ」という状態は存在するのだろうか。長嶋茂雄は、長い現役生活の中で、打てない時期や批判にさらされる局面を何度も経験している。それでも長嶋は「自分にスランプはない」と言い切れたのだろうか。※本稿は、臨床スポーツ心理学者の児玉光雄『長嶋茂雄 永久に心を熱くする言葉「積極果敢」で生きる80のヒント』(清談社Publico)の一部を抜粋・編集したものです。

一流の選手はスランプ状態を
無視してバットを振り続ける

不調になった時には、逆に悪く言われることもあるけどね。
でも、それで精神的に参るとか、スランプになることはないね。
シーズン中はもう、毎日毎日、試合に集中してやってるからね。
年がら年中それだけをね。

(『ミスタープロ野球 魂の伝言』)
――スーパースターのプレッシャーを克服する心構えを語った言葉

 順風満帆のときには、並の選手と長嶋のような一流の選手との違いを見いだすことは難しい。しかし、スランプに陥ったときに両者の違いが如実に表れる。

 前者はちょっとしたスランプに見舞われただけで、その状況に過剰反応するために、心の中に不安や恐怖がふくれあがる。それが筋肉にノイズを与え、より深刻なスランプの状態を招く。

 一方、後者は、スランプというネガティブな要素を徹底的に無視し、ひたすら自分にとっての課題を克服するためにバットを振り続けることに意欲を示す。この違いは、あなたが考えている以上に大きい。