もはや、「綿密にプランを練ってから行動する」のは明らかに時代遅れであり、「出た結果をフィードバックし、その日のうちに次の行動計画を設定して翌日に新たなチャレンジをしかける」ことが求められる。

 つまり、この過酷な競争社会では、そんな人間だけが成功するようにできている。

ただ自信満々なだけではない
「プラス思考」の本当の意味

ぼくは、今で言うイメージ・トレーニングのようなことをやって、
プラス思考で試合に臨んでいたといわれたが、
プラス思考になれるだけの準備をしていた自負がある。
だからこそ、そのことを口に出して自分を駆り立てていた。
政治家のマニフェストではあるまいし
「達成が難しいことは口にしない方がいい」では
とても勝負は出来ません。

(『野球へのラブレター』)
――自分が考える「プラス思考」の意味を語った言葉

 スポーツの世界で、長嶋ほどプラス思考の人間を見つけ出すのは、とても難しい。多くの人々が、「プラス思考」の意味を誤解している。多くの人々が、「プラス思考とは、自信満々の気持ちを満たしてことに臨むこと」と解釈している。

 しかし、明らかにその解釈は間違っている。いくら自信満々の気持ちを満たしたところで、肝心の準備がおろそかでは成果を上げることはできない。長嶋がこの言葉で表現しているように、徹底した準備をしてことにあたることこそ、「プラス思考」の正体である。

 並の打者はちょっと打てなくなっただけで、「自分には野球の才能がない」と考えてしまい、すぐに落ち込んでしまう。一方、結果がよくなくても、長嶋のような一流の人間は、すぐに気持ちを切り替えて次の打席に臨むというルーティンを身につけている。

 著名な啓蒙(けいもう)家ブライアン・トレーシーの言葉を噛みしめよう。「不幸せでうまくいかない人は、自分の弱点ばかりに目を向けがち(中略)。弱点のことで頭がいっぱいで、自分の才能不足のことばかり考えている。人はそれぞれ、磨くべき強みを持っていて、その強みによって望みをかなえられるかもしれないということを忘れている。そして、能力の乏しい分野のことばかり気にしているのだ」(『まずは、自信をつけてしまえ!』学研プラス)