チャーチル・クラブ(Churchill Club)主催の「トップ10テック・トレンズ」(Top 10 Tech Trends)が5月に開催された。今年で15回目になり、シリコンバレーの恒例行事として定着した観がある。米『フォーブス』誌の当地責任者が司会を務め、当地のベンチャーキャピタリスト5名がそれぞれ二つのトレンドを発表し、他のパネリストが賛成・反対の意見を述べた後、会場の参加者が賛成表・反対票を投じる全員参加の会合である。
デビッド・コーワン(David Cowan、Bessemer Venture Partners)、 ヴェンキー・ガネサン(Venky Ganesan、Menlo Ventures)、 スティーヴ・ジャーベトソン(Steve Jurvetson、Draper Fisher Jurvetson)、アルフレッド・リン(Alfred Lin 、Sequoia Capital )、ジョージ・ザッカリー(George Zachary 、Charles River Ventures)の5名が、今後5年間で急成長するテクノロジーのトレンドを予想した。
1 「 Eye Phone」が iPhoneに取って替わる
スマートフォンの次の世代の機器は、メガネのように顔にかけるモバイル機器「Eye Phone」になる。現在自分が肉眼で見ているものを捉えてリアルタイムに解析、Eye Phone の画面に表示してくれる。人に会えばその人の顔を認識して、名前・交流履歴を知らせてくれる。外国に行けば道路標識を見て翻訳してくれる。外国人が話し始めると即座に翻訳して英語で通訳してくれる。こちらが話し出せば即座に現地語に通訳してくれる。既に軍事用途では実用化されていて、視認した敵の情報供給に使われている。現在試行中のGoogle Glassに外形は似ているが、もっと高機能なのがEye Phoneである。
パネリストは賛否半々だった。自分の顔の上に仰々しく掛ける機器が、消費者に広く受け入れられるとは考えにくい。ただ、軽くて小さくて、スマホよりはるかに高機能であれば受け入れられるかもしれない。一方で、配送センターで仕事する人のように、仕事で両手がふさがりがちな作業員には歓迎されるだろう。参加者の反応は40対60で反対が多数を占めた。