「改造カーナビ」はなぜ合法なのか?運転中にテレビをチラ見する人が直面する重大リスク写真はイメージです Photo:PIXTA

カーナビを改造し、運転中にテレビが見られる状態にしているドライバーは少なくない。その背景には、現行の法規制の抜け穴がある。運転中にカーナビを注視することは道路交通法違反になるが、実はカーナビを改造すること自体は原則として違法ではない。このため、摘発されない程度に画面を“チラ見”しながら運転している人が後を絶たないのである。だが、テレビ視聴を目的としたカーナビ改造には、単に「よそ見をして危ない」という問題にとどまらないリスクが存在する。(自動車ジャーナリスト 高根英幸)

カーナビを「改造」すれば
運転中もテレビを見られるが…

 クルマのダッシュボードには、今やカーナビやディスプレーオーディオが備わるのが一般的だ。カーナビではそのままテレビ(以下、TV)も視聴でき、ディスプレーオーディオでも一部の機種にはTVチューナーが備わっている。

 しかし純正オプションで取り付けられているカーナビは、クルマが停止している状態でなければTVを視聴できない仕様になっている(運転中は音声だけが聞こえる)。ところが、カー用品店やネット通販では「TVキャンセラー」と呼ばれる製品が出回っているのだ。

「改造カーナビ」はなぜ合法なのか?運転中にテレビをチラ見する人が直面する重大リスクAmazonで販売されているTVキャンセラー(具体的な商品名には「ぼかし」を入れています)
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 TVキャンセラーは、クルマに取り付けることで走行中のTV視聴を可能にする商品だ。建前上は「同乗者が走行中もTVが視聴できる」点が売りとなっている。だが実際は、ドライバーがTVを横目で見ながら運転することも可能であり、「『ながら運転』を助長する」と、ネット上などで批判的な意見も出てきている。

 読者の中にも「クルマに不正な改造をして、走行中のTV視聴をしているのは許せない」と憤りを感じる人がいるかもしれない。

 その指摘はもっともで、ドライバーがTVを見ながら運転する行為はもちろん道路交通法違反である。TV視聴が原因で交通事故を起こせば、当然ながら行政処分の対象となり、なおかつ本人の過失も重く問われる。