2つ目。あなたが「権力」を握るポストについていることもあるだろう。たとえば、アルディやリドルやミグロのようなディスカウントスーパーマーケットチェーンの購買担当者として。

 購買担当者であるあなたは、数億ユーロ(数百億円)規模の予算の決定権をもち、それにより、間接的に交渉相手の報酬とキャリアに影響を与える。

 その一方で、下っ端社員のあなたは、ささやかな給料しかもらっていない。「キックバック」を提示するサプライヤー(仕入先・卸売業者)に発注したい誘惑は、計り知れないほど大きい。

 しかし、たとえどんなにお金が必要であったとしても、手を出してはならない。

 なぜなら、それによってあなたの職業的な立場、それに、社会的な立場が崖っぷちに追い込まれる危険があるからだ。さらに、「恐喝」の標的にされやすくなる。

バフェットおすすめの
「新聞テスト」とは?

 わたしはキャリアの初期に免税販売部門で働いていた(当時はスイス航空グループの一部)。オーストラリアと香港で、スイス企業と取引をするために、サプライヤーが賄賂を贈ろうとする場面にわたし自身が遭遇した。

 その申し出にどれほど心がそそられたことか!数万ドルを危うく受け取りそうになったことがたびたびあった。若造のわたしには、お金の使い道はいくらでもあった。

 振り返ってみると、わたしは「さあ受け取れ、これはおまえにふさわしい報酬だ!」という肩の上の“悪魔のささやき”に耳を傾けず、反対の肩に座っていた“誠実な天使”の言うことを聞いておいて心からよかったと思っている。

 確信がないときにはいつも、ウォーレン・バフェットが勧める「新聞テスト」をするといい。

 重要な全国紙の一面トップに、あなたの「おこない」が掲載される場面を想像してほしい。あなたはこの状況に耐えられるだろうか?

 耐えられないなら、そのことには関わらないようにしよう。

 3つ目。合法と違法の間にある「グレーゾーン」は往々にして幅が広いものだ。それに関してバフェットはテニスを例に次のように説明している。

「コートの中心ではじゅうぶんに儲けることができる。取引がラインの内側でなされているかどうか疑わしい場合には、外側で取引されていると仮定し、そのまま忘れてしまうこと」

 4つ目。「グレーゾーン」で取引するのが当たり前になっている業種や職種がある。

 状況によっては、あなたはそのことに心積もりをしておくよう、ほのめかされることがある。

 しかし、慣例であるからといって、筋が通っているわけではない。その場合には仕事を変えること。