好意があるはずなのに、なぜか関係が一向に進まない――そんな宙ぶらりんな恋愛を経験したことはないだろうか。連絡は続くのに会えない、自分だけが頑張ってしまう関係ほど人の心をすり減らすものはない。日韓累計40万部を突破したベストセラー『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(キム・ダスル著、岡崎暢子訳)の続編『人生は期待ゼロがうまくいく』の発売を記念した本記事では、ライターの有山千春氏に、努力しても報われない人間関係を手放す「潔さ」についてご寄稿いただいた。(企画:ダイヤモンド社書籍編集局)

「相手に好かれている!」と勘違いする人が見落としがちな相手の反応・ワースト1Photo: Adobe Stock

「果たされない約束」は
「あなたに好意はありません」という返事

 30代のころ、友達からこんな恋愛相談をされたことがある。

 出会いは職場で、それぞれ利害関係のない立場で、数ヵ月に1度、会うか会わないかの関係性。初対面で「お互いに好意的に思えた」といい、プライベートでは1ヵ月に2,3度、電話で話しているという。

 そのうち恋に落ちた友達は、彼とLINEや電話はするが、なかなか会えないことについて疑問を抱いていた。

「お互いに好意的なのに、どうして会えないんだろう。仕事が忙しいのかな」

 好意的だという証拠も、一つひとつ丁寧に話してくれる。「それなのに、どうしてだと思う?」と聞かれたとき、筆者は真正面から「相手も好きなら、仕事が忙しくても会おうとするのでは」とストレートな意見を吐いてしまったが、友達はもちろん腑に落ちない。

 話を聞いているだけのこちらとしては、打っても響かない関係に見えるが、そもそも2人のことは2人にしかわからない。

 そのうち、一向に会えず友達が連絡をしなくなると、関係性がフェードアウトして恋心もなくなっていったという。

 それでよかった、と思った。

人間関係は「引き時」が肝心

 キム・ダスル著のベストセラー『人生は「気分」が10割 最高の一日が続く106の習慣』にも、こんなトピックがある。

[潔い人間関係を心掛ける]

 によると、冒頭から清々しい。

 努力しても何の進展もない関係は放っておくに限る。人と人の関係には、努力すればするほど近づけるものと、そうじゃないものがある。
――『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』より

 なんでも、相手にその気があったり、ウマが合う場合は「努力して近づける関係」だといい、「お互いに望んでいるからその距離は縮まるしかない」という。

 一方で、努力しても近づけない関係とは……。

 そもそも相手がこちらに興味がないとか(中略)こちらから何度働きかけてもリアクションが薄い相手は特にわかりやすい。こういう相手とはそれ以上努力してもムダ。
――『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』より

 友達は、相手と仲良くなろうと連絡を怠らない努力をしたが、相手はそれ以上の関係を望んでいなかった。そんな関係を本書では「価値の生まれない関係」と断じる。さらに「無理するだけ時間のムダだし『感情労働』みたいになってしまう」と綴る。

 友達の相手は、自分をすり減らしてまで「感情労働」する価値のある人間ではなかった。そう思うと、きっぱりと諦めることが賢い選択だったと自分を肯定できそうだ。

 当時、友達にそんなことを言えばよかったと、本書を読み感じ入った。

(本稿は、『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』の発売を記念したオリジナル記事です)

有山千春(ありやま・ちはる)
メーカー広報、出版社編集者を経て2012年よりフリーライターに。主に週刊誌やWEBメディアで取材記事やインタビュー記事を執筆。昨年より高田馬場の老舗バーにてお手伝い中。