第一次トランプ政権の誕生に賭け、
大勝負に出る
そして、2016年の米国大統領選挙で、sakuさんは大きな賭けに出る。トランプ氏の当選に備えて、なんと日経平均ETFを1億円空売りしたのだ。
2008年のリーマンショック時には、信用取引が仇となり、資産を9割も減らしている。なぜ再び、ハイリスクと思える勝負に出たのか。
当時は、政治経験ゼロで過激な発言を繰り返すトランプ氏が、まさか当選するわけがないという見方が大勢だった。トランプ勝利に賭けてバクチを打ったわけではない。
予想が外れても損失は限定的だが、もしトランプ氏が当選した場合は莫大な利益を得られると考えたからだった。
sakuさんが考えたシナリオは次の2つだ。
▶シナリオA:共和党のヒラリー・クリントンが勝利(市場の大半が予想)
当時の空気感は「ヒラリー勝利」一色で、この結果はすでに株価に織り込まれており、大きな波乱はなさそう。日経平均ETFを1億円空売り(ショート)しても、株価の上昇は3%程度で、損失は300万円程度で済むと予測。
▶シナリオB:トランプ勝利(大きなサプライズになる)
当時は冗談半分で、「もし、トランプが大統領になったら、どうなるのか」と言われていたほどだった。現実になれば市場はパニックになり、大暴落すると予測。下落幅は15~20%になり、利益は1500万円以上になると計算した。
sakuさんが重視したのは、3%の損失リスクに対して15%以上の利益チャンスがあるという、非対称性だ。
「当時の資産は6000万~7000万円で、予想が外れても損が300万円程度(資産の約5%)なら、許容範囲だと考えました」
当時、アメリカやヨーロッパにいる友人たちに話を聞いて、「トランプ当選の可能性はなくもない」という感触を得て、思いついた投資だったという。
実際、2016年の米大統領選で大方の予想を覆してトランプ氏が当選すると、株式市場はパニックに陥り大暴落した。sakuさんは、日経平均ETF1億円の空売りで3000万~4000万円の利益を得て、資産は1億円に到達した。
金銭的に余裕ができ、勤めていた大企業を退職、スタートアップ企業へと転身する。早朝から深夜まで働き詰めの多忙な日々に追われ、株はあまりやらなくなった。sakuさんが再び株取引に本腰を入れたのは2021年からだ。
しかしsakuさんは新たな壁にぶつかったと言う。
「市場参加者のレベルが格段に上がっていて、昔の手法は通用しなくなっていました」
sakuさんが2010年代に資産を増やす原動力になった“月次投資法”は、もはや機能しなくなっていた。今は、スタートアップ企業でCFOを勤めた知見も生かしながら、いくつかの新しい手法を取り入れて運用。2025年の年間パフォーマンスは+130%(2.3倍)だった。後編では、sakuさんの投資法のいくつかを紹介する。
本記事は2026年2月5日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。







