【もうウンザリ】話の長い人が「無意識に」やりがちな悪習慣とは?
戦略コンサルやシリコンバレーの経営者、MBAホルダーには、共通点があった。「伝える内容を1つに絞り、1メッセージで伝えて、人を動かす」ということ。プレゼン・会議・資料作成・面接・フィードバックなど幅広い場面で成果を上げるノウハウをまとめた書籍『1メッセージ 究極にシンプルな伝え方』から一部抜粋して紹介する。

【もうウンザリ】話の長い人が「無意識に」やりがちな悪習慣とは?Photo: Adobe Stock

「話が長い人」がいる。なぜ長くなる?

 職場で「話が長い人」がいる。意味のある話であればよいのだが、多くの場合で、まわりの時間を食う。結果として、まわりの生産性を落としてしまう。

 そんな「話が長い人」ほど話していて、話を短くするために「話さなくてよいこと」がある。

「事実」を話すと、話が長くなる

「話が長い人」ほど話していて、話を短くするために「話さなくてよいこと」の一つは、「事実」だ。たとえば、次のようなものだ。

「今回のわたしたちのチームでは、1月から新しい営業施策を実施しました。それは、中小企業向けに割引キャンペーンを実施するものでした。割引額は通常の時期の2割引にしました。営業体制としては、これまでの大企業向け営業チームから5人を抜擢して、その中小企業向けの割引キャンペーンの営業にまわってもらいました。以前にもこのような抜擢で人事異動することを試みましたが、そのときはいろいろなしがらみで出来ませんでしたので、今回が初めてです。このキャンペーンの結果としては、1月は3件、2月は5件、3月は2件、4月は8件、5月は6件、6月は5件で計29件の新規顧客の獲得に成功しました。それらの顧客の内訳は…」

 このような「事実」を話すシーンは、多くの会議で見かける。そのような話の多くは「報告」と呼ばれたりもする。しかし、そのような事実の報告をしている場面では、多くの人がつまらそうにしてただ聞いていて、みんなで時間を浪費していることがよくある。

「事実」は話すのではなく、書いて伝えればよい

「話が長い人」は、「事実」を話さないようにしたらよい。

 それは「事実」を軽んじるものでも伝えなくてもよいと言うものでもなく、「事実」は書いてそれを伝えればよい。書いたものを自分の好きなタイミングで見てもらえれば済むものを、あえて相手の時間をもらってまでして話すのは時間がもったいないのだ。

 資料じゃなく、メールやチャットに書いて送って見てもらうでもよい。いずれにせよ、事実はどんなに大事であっても、事実を伝えるという行為は一方向になって双方向にはならない。このため、多くの場面で、相手の時間を奪ってまでして話したりすることではないのだ。

「事実」を話すのは「否定に開かれていない話」なので長くなる

「事実」を話してばかりいると、どうしても「話が長い人」になってしまう。その理由は、「事実」を話すのは「否定に開かれていない話」だからだ。否定に開かれていない話とは、否定する余地がない話のことだ。

「事実」は正しい。その人が嘘をついていない限り、否定の余地がない。否定の余地がないので、事実を話されるとそれに反論することはできない。このため、事実を話すのは、誰からも反論されずに一方向で話し続けられるため、ついたくさん話してしまうのだ。結果として、話が長くなる。だからこそ、「事実」は話して報告するのではなく、書いて伝えるのがみんなの時間を奪わずに生産的なのだ。

過去や今の「事実」を話すのではなく、未来に向かって「意見」を話そう

 過去や今の「事実」を話すのは、否定に開かれていない。それらを伝えるのは一方向になるので集まって話す必要はなく、相手の好きな時間で確認できるように書いて伝えればよい。そうすると、それを省く分、話は短くできるだろう。

 一方で、その浮いた時間は、過去や今の「事実」を話すのではなく、未来に向かって誰かの役に立つ「意見」を考えて話してみよう。誰かの問いや悩みについて、自分なりに考えた答えを伝え、その問題のこれからの解決につなげるのだ。未来に向かった意見は、未来が誰にも保証できない以上は、常に隙や不確実性があり、否定に開かれている。だからこそ、まわりも反論できるし、その議論を通じてよりよい答えにしていけるため、みんなに話す意味があるのだ。

 事実を伝えることは大事だ。ただし、自分が「話が長い人」じゃないかと気になる人は、それをどこまで話の中で伝えるべきかは、たまに点検してみるのがよいだろう。

(本原稿は『1メッセージ 究極にシンプルな伝え方』を一部抜粋・加筆したものです)