全米の学校や図書館で絶賛された話題のマンガが、ついに日本に上陸! 新刊『13歳からのメンタルヘルスの教科書』(カーラ・ビーン 著、精神科医さわ 監訳、御立英史 訳)は、複雑な脳と心の仕組みをユーモアたっぷりのイラストで解説し、世界一わかりやすく「『こころ』の守りかた」を教えてくれる一冊です。今回、本書の監訳を務め、著書『子どもが本当に思っていること』の精神科医さわさんに特別インタビューを実施。今回は、親に本音が言えない子どもたちについて教えていただきました。(構成/ダイヤモンド社 森遥香)

本音 子どもPhoto: Adobe Stock

本音を話してくれない子どもたち

「昔は何でも話してくれていたのに、最近はあまり本音を話してくれない」
「何か聞いても『大丈夫』としか言わない」

こうした子どもの変化はありませんか。つい、「私の育て方が悪かったのかな」「反抗期だから仕方ないのかな」と、自分を責めてしまってはいないでしょうか。

精神科医としてお伝えしたいのは、親に本音を言えなくなる時期は、心がきちんと育っている証拠でもあるということです。

「秘密」を持ち始めるのは、自立のサイン

まず知っておいてほしいのは、思春期に親に言えない「秘密」や「本音」を持つことは、心が正常に成長している証拠だということです。

小さい頃は、親と自分は一心同体のような感覚で生きています。しかし成長するにつれて、「親の知らない自分の世界」を持ちたくなります。これが「親離れ」の始まりであり、親から精神的に自立しようとしている合図なのです。

だから、親に言えないことがあるのは、順調に心が大人になろうとしている成長のサインなのです。

「大丈夫」は、子どもなりの優しさかも

診察室で話を聞いていると、本音を言えない理由が「親を悲しませたくないから」という子もたくさんいます。

「学校が辛いと言ったら、お母さんが心配して倒れちゃうかも」
「期待に応えられない自分を見せたくない」

それは、子どもなりの精一杯の「優しさ」です。親を大切に思うからこそ、あえて言わない選択をしているのです。

最後に、子どもは、親の期待を完璧に叶えるために生まれてきたわけではありません。

思うような成績が取れなくても、親の理想通りの「いい子」でいられなくても、その子の価値は、1ミリも下がりません。

「話してくれない時期」も、「距離を感じる時期」も、親子がそれぞれの人生を歩み始めるための、大切な通過点になるのです。

(本記事は『13歳からのメンタルヘルスの教科書』のインタビュー記事です)