実験台第1号の「カモ」に選ばれ
「人格、終わってますね」で終了
「こうたろうさん、もしよかったら、お願いがありますー!!うちの会社のシステムが新しくなるんですけど、使ってみたくて。第1号で、一緒に実験してもらってもいいですか?」
正解は、カモのほうだった。
保険にはすでに入っており、銀行の件と違い、彼女の計画的なカモ捕獲作戦に乗っても、明るい未来はないだろうと思い、やんわりお断りした。
『バッタ博士の異常な愛情 恋愛と婚活の失敗学』(前野ウルド浩太郎、光文社)
彼女はセミが大嫌いということだったが、木にとまっているセミの写真やひっくり返って死にそうな「セミ・ファイナル」の動画(地面にあおむけで転がっているセミが、突如、激しく羽ばたき始める現象のこと。セミファイナル〈準決勝〉とかけたダジャレで、死に際のセミのあがきを表現した造語)を私に送ってきていた。
勧誘をお断りした後も写真が送られてきていたので、「セミのこと、嫌いと言いつつ、好きなのでは?」と思い、お返しに、部屋に入ってきて電灯の下で飛翔しているセミの動画を送ったところ、
「セミ嫌いの人に動画送るとか、人格、終わってますね」
と、辛辣な返信が来て、やりとりは綺麗に止まった。私は、カモでなければ用なしだった。
女性がセミ嫌いでも私は一向に構わない。ただ、嫌いな物を撮影して、他人に送るものだろうか?本当は、彼女はセミ好きだったのではないか?関係が途切れた今、真相は藪の中に……。







