例えば、「過去にウマが合わなかった人とどう接しましたか」「納得できない指示を受けたとき、どう対処しましたか」といった質問を投げかけます。その際は、一般的な意見や考えを話てもらうのではなく、具体的な行動について掘り下げていくことで、同じような状況が自社で発生したときトラブルにならないかどうかを把握することができます。
また、面接官の主観や好き嫌いを排除するために、「構造化面接」を導入することも有効です。これは、評価基準を統一し、質問項目とそれに対する回答の評価基準(合格ライン、NGライン)をあらかじめ設計しておく手法です。これにより、組織として統一した目線で人材を見極めることが可能になります。
さらに、適性検査(SPIや玉手箱など)を活用し、数値をベースに性格を客観的に見ることも重要です。ある企業の事例では、SPIの結果で協調性にアラートが出た候補者に対し、最終面接で徹底的に「上司と意見が食い違った時の対応」について質問を重ね、見極めを行ったというケースもあります。
新卒採用が上手いと言われる企業、例えば某大手総合商社のような会社は、現場が採用に深く関与しています。現場の社員は、「こういう人と働きたい」「こういう態度の人はチームの和を乱す」という「解像度が非常に高い」からです。
人事だけでなく、現場の社員が面接官としてのトレーニングを受け、採用に協力的である会社は、結果として「性格は悪いけど仕事ができる(ように見える)人」を排除し、組織にフィットする人材を採用することに成功しています。
感じがいい人だけでいいの?
多様性と同質性の役割の違い
組織のフェーズによる人材要件の違いについても触れておきましょう。「感じがいい人」ばかりを採用すると、いわゆる「金太郎飴」のような同質性の高い組織になり、イノベーションが起きないのではないかという懸念があるかもしれません。
確かに、組織が停滞し、変革やイノベーションが必要なフェーズでは、多様性(ダイバーシティ)が生み出すカオスを受け入れる必要があります。しかし、多様な意見や知見を持つ人間が集まることになるので、予期せぬトラブルが増え、合意形成の負荷が大きくなりますから、経営のスピードが落ちます。
一方で、ビジネスの道筋が立ち、組織が一丸となって成長していく段階においては、疑うことなく同じ方向を向いて走れる同質性の高い組織のほうが、経営のスピードが上がることも事実です。
フェーズによって求める人材像は変わりますが、どのようなフェーズであっても、組織の信頼関係や心理的安全性を脅かすような「性格の悪い」人材がもたらすリスクは変わりません。
採用すべきは、現時点でのスキルの高さよりも、組織の価値観に共感し、周囲と協力しながら成長できる「感じのいい人」です。組織は人で構成されています。長期的には、それが組織の利益を最大化し、現場の疲弊を防ぐ最良の選択となるはずです。








