会社を伸ばす社長、ダメにする社長、そのわずかな違いとは何か? 中小企業の経営者から厚い信頼を集める人気コンサルタント小宮一慶氏の最新刊『[増補改訂版]経営書の教科書』(ダイヤモンド社)は、その30年の経験から「成功する経営者・リーダーになるための考え方と行動」についてまとめた経営論の集大成となる本です。本連載では同書から抜粋して、経営者としての実力を高めるための「正しい努力」や「正しい信念」とは何かについて、お伝えしていきます。
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自社とお客様との関係は6段階ある
前回、説明したリレーションシップ・マーケティングでは、お客さまを6段階に分けて考えます。
「潜在客」から始まって、「顧客」→「得意客」→「支持者」→「代弁者」→「パートナー」というふうに段階的に関係が深まっていきます。
「潜在客」は、お客さまになる可能性のある人。
「顧客」は買ってくれたお客さまであり、カスタマーとかクライアントとも呼ばれます。さらに、「得意客」はよく買ってくださるお客さまのことです。
次に「支持者」とは、ブランドロイヤリティや店舗ロイヤリティが100%のお客さまを指します。
例えば、「化粧品はポーラの商品しか買わない」とか、「百貨店なら小田急百貨店しか行かない」というお客さまのことです。これは会社にとって大変有難いことで、支持者が増えると売り上げは落ちません。お客さまは「ここしかない」と思うからです。
ただ、その上にもお客さまがいます。それが、「代弁者」であり、「パートナー」です。
「代弁者」とは、「あの店はとても良いから行ってみたら」「商品がすごく良いから買ってみたら」と他の人に言ってくれるお客さまのことです。いわゆる、口コミです。
ですから、代弁者が増えると、下手な広告宣伝をしなくても、売り上げは伸びていきます。
良い口コミが増えるほど、
売上は自然に伸びる
今はネットの時代であり、ネット上での口コミは、良い評判でも悪い評判でも大きな影響があります。ネットショップなどで、利用者の書き込んだ評価がずらりと出ていたりするのを見たことがあるはずです。
Amazonで本を検索してみると、読者の書いた書評が載っていて、誰でも読むことができます。
地方の観光地で集客に成功した高山や城崎などは、SNSで来訪客、特に外国人客が情報を拡散したくなるような、風景やイベントを上手に利用しています。
こうして情報を伝えてくれる人たちが「代弁者」になるわけです。
良い意味での口コミが増えるほど、売上は自然に伸びるのです。
お客様との関係をいかに深めていけるか
また「パートナー」というのは、さらに上のお客さまで、本当に会社の商品やサービスを気に入ってくれて、他のお客さまを連れてきてくれたり、イベントに参加してくれたりします。
さらには、その会社の代理店として働きたいと言ってくれるような人たちを指します。代弁者やパートナーが増えると、会社は自然にどんどん大きくなります。
この6段階の中で、潜在客を顧客に変えることも、もちろん大切です。
さらには、一度お客さまになっていただいた方を、得意客、支持者、代弁者、パートナーへと、関係をいかに深めていけるかも、とても大事なことなのです。
(本稿は『[増補改訂版]経営者の教科書 成功するリーダーになるための考え方と行動』の一部を抜粋・編集したものです)
株式会社小宮コンサルタンツ代表取締役会長CEO
10数社の非常勤取締役や監査役、顧問も務める。
1957年大阪府堺市生まれ。京都大学法学部を卒業し、東京銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。在職中の84年から2年間、米ダートマス大学タック経営大学院に留学し、MBA取得。帰国後、同行で経営戦略情報システムやM&Aに携わったのち、91年、岡本アソシエイツ取締役に転じ、国際コンサルティングにあたる。その間の93年初夏には、カンボジアPKOに国際選挙監視員として参加。
94年5月からは日本福祉サービス(現セントケア・ホールディング)企画部長として在宅介護の問題に取り組む。96年に小宮コンサルタンツを設立し、現在に至る。2014年より、名古屋大学客員教授。
著書に『社長の教科書』『経営者の教科書』『社長の成功習慣』(以上、ダイヤモンド社)、『どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座』『ビジネスマンのための「数字力」養成講座』『ビジネスマンのための「読書力」養成講座』(以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『「1秒!」で財務諸表を読む方法』『図解キャッシュフロー経営』(以上、東洋経済新報社)、『図解「ROEって何?」という人のための経営指標の教科書』『図解「PERって何?」という人のための投資指標の教科書』(以上、PHP研究所)等がある。著書は160冊以上。累計発行部数約405万部。




