史上最高値を更新した日経平均株価の終値を示すモニター=2月10日午後、東京都中央区
5万7000円台に駆け上がった日経平均株価
だが、民間の26年度成長率予測は0.8%!?
「積極財政」路線を掲げる高市早苗氏が自民党総裁に選出された昨年10月下旬以来、株式市場で「高市トレード」と呼ばれる動きが生じている。さきの衆院議員選挙における自民党の圧勝で、「高市トレード」はさらに顕著になったように見える。
日経平均株価は投開票日翌日の2月9日、前週末より一気に2000円超上昇し、終値は最高値更新を続け、10日、12日と5万7000円台を大きく超えた。
2025年9月初め(2日)と26年2月中旬(13日)を比較すると、日経平均株価は約4.23万円から約5.69万円まで約34.5%上昇した。一方、アメリカでは、ダウ平均株価は約4.53万ドルから約4.95万ドルまで約9.2%上昇した。
つまり、日本の株価上昇率はアメリカの3.8倍程度になっている。
これらの指数を単純に比較することはできないのだが、日米両国間で株価上昇率に極めて大きな差があったことは、否定できない。
株価は将来の企業利益を反映するものだ。したがって、日本企業の利益率の見通しが、最近時点で急激に高くなったのでなければ、こうした高い株価上昇と整合しない。
そして、分配構造を大きくゆがめることなしに企業利益が高い伸び率を実現するためには、日本経済の潜在成長率が非常に高い値になる必要がある。
では、潜在成長率やGDP成長率の見通しはどうか?
日本の潜在成長率は、内閣府の月例経済報告によれば、この数年間、対前期比年率で0.4~0.5%にとどまっており、最近時点でも変化は見られない(2024年第3四半期以降0.5%)。
一方、政府は26年度の実質国内総生産(GDP)成長率を1.3%と見込んでいる。
これは潜在成長率を大きく上回る伸び率だが、日本経済研究センターがまとめた民間予測平均では26年度が0.8%であり、日本銀行の見通しでは0.7%だ。
つまり、政府の見通しを除けば、実体経済が近い将来に急成長するような兆しはない。そうした中で、株価だけが上昇している。
これは何とも不思議な姿だと言わざるをえない。







