日本記者クラブ主催の党首討論会に臨む(左から)共産党の田村智子委員長、国民民主党の玉木雄一郎代表、中道改革連合の野田佳彦共同代表、高市早苗首相(自民党総裁)、日本維新の会の藤田文武共同代表、参政党の神谷宗幣代表、れいわ新選組の大石晃子共同代表 Photo:JIJI
2月8日の衆院選へ、高市与党と野党がそろって消費税減税を公約したところ、日本の超長期国債相場が急落(金利上昇)した。市場では、日本財政が無責任な減税路線で破綻する、日本発で世界市場が危機に見舞われると、相変わらずの悲観論が浮上した。それは本当に「今そこにある危機」なのかを冷静に捉え、リスクテイカーとしての投資家目線を保ちたい。(楽天証券グローバルマクロ・アドバイザー TTR代表 田中泰輔)
トリプル安に日本売り
悲観論、警告論がお好みの国内論調
高市早苗政権が誕生して以来、日本では株高、国債安(長期金利上昇)、円安がとかく関心事となっている。
そして、株高はさておいて、国債安と円安で大変なことになったと、悲観論がまかり通る。さらに、株価が一時的にでも安くなると、株、国債、円の「トリプル安」だの「日本売り」だのと、メディアのヘッドラインは「てえへんだ」とひと騒ぎになる。
筆者は、金融市場はその特性として、皆がそう思うから、それが実現するという「自己実現」と、相場が下がるから売り、売るから下がることが悪循環的に連鎖する「暴落パニック誘発」のメカニズムが備わっているとして、けっして日頃の値動きを軽視はしない。この日本懸念は、折々に自己実現のミニ急落を招いていることは否定しない。
しかし、こうした悲観論の多くは誇張が過ぎるという思いも大きい。特に国内論調は悲観論や警告論がお好みである。そして、海外勢には、日本の事情をよく知らずに、日本発の世界不安を吹聴する向きが少なからずいる。筆者は悲観論に対して、少なくとも「今そこにある危機」ではあるまいと考える時には反論するが、いったい何回繰り返してきただろう。
次ページでは、いつものようにはびこる悲観論を検証し、本当に「今そこにある危機」なのかをひもといていく。







