広大な大陸があるものの、居住地域が限られるオーストラリアではシドニー、ブリスベン、パースなどの大都市で上昇が著しい。この上昇トレンドは需給ひっ迫で起きているが、その緩和の見通しは立っていない。 移民を通して、資金と人を呼び込む政策には住宅供給、土地供給が欠かせないことは既に自明の理である。

 外国人比率でみると、オーストラリアが30.4%、カナダが22.2%、日本は2.8%(※)で、両国に比べて日本は低いが、日本は可住地面積が小さく、住宅供給にも限りがある。

※「International Migrant Stock 2024:Key facts and figures」より

日本の3分の2以上の都道府県で
家賃は上昇している

 日本で在留外国人人口が増え始めたのは2012年以降で、コロナ期間中を含む13年間で190万人が増えた。1年平均でおおよそ14.6万人となり、世帯数では年8万戸以上のペースで増えたことになる。

 日本の賃貸住宅居住者は約1600万世帯で、8万戸はこれの0.5%に相当する。毎年0.5%ずつ稼働率が上昇すると、13年間で6.5%上昇したことになる。そもそも90%程度の稼働率だった賃貸住宅市場において、95%超えになることは状況を一変させることになる。

 これは空室率にすると理解しやすい。空室率10%が5%になるということは、在庫が半減することを意味する。また、空室率が7%を割ると家賃は上がり始める。それ以前は築1年古くなると、1%家賃が下がるものだった。

 しかし、現在はJ-REIT(日本版不動産投資信託)の投資家向け資料では同一住戸の家賃が平均入居期間4年を経て(築年が4年古くなって)10%超の上昇をしている。4年前より今の方が値上がり率は高いので、直近の年率は4%近くになっていると思われる。高過ぎる稼働率は家賃の上昇を招くことになる。

 こうして、日本の3分の2以上の都道府県で家賃は上昇する事態となっている。都市圏だけの現象ではないのだ。

 逆に、在留外国人人口を13年間で190万人も受け入れなければ、家賃は上がらなかったということだ。受け入れるにしても、住宅政策無策では、そのしわ寄せを受けるのは国民になってしまう。

 もちろん、家賃高騰の原因のすべてが外国人にあるわけではなく、賃貸住宅におけるニーズのミスマッチが拡大した側面も少なからずある。

 家賃は需給バランスで決定される。国民の住宅費負担が急増することが分かっている中では、それを回避する方法は2つしかない。外国人の流入を減らすか、住宅供給を増やすかだ。前者が労働力の関係でできないなら、後者は政策で可能である。