
ヘブン、フィリピン滞在記に思いをはせる
ランもかいだん好きという。まさかかいだん好きがこんなところにいたとは。
「牡丹燈籠(ぼたんどうろう)ですか、四谷怪談ですか」
と食いつくトキに、ランが答えたのは
「私は螺旋(らせん)階段」
とんだ“かいだん”違いである。
でも螺旋階段はぐるぐる渦を巻いて、ちょっと怪奇的な風情はある。例えば、伊藤潤二の漫画『うずまき』とか螺旋階段的ともいえる(当時はまだ存在していません)。
ランは、螺旋階段は素敵(すてき)だから「もしどこかで見つけたら上がるか下がるかしてみて」「レッツトライ」とトキにおすすめする。なんなんだこの会話。階段好きとはあまりにもニッチだろう。この手の話をさらりと出してさらりと終わらせ、笑っていいのかよくわからないのが『ばけばけ』。
話は変わって、トキはランに英語を書いて覚えたと教えてもらう。
場面が変わって、ヘブン宅。トキは丈(杉田雷麟)と正木(日高由起刀)にも英語のレッスンを受けている。
ヘブンは隣の部屋で書き物中。
そこにまたイライザ(シャーロット・ケイト・フォックス)から手紙が到着。今度は『フィリピン滞在記』企画の提案だった。報酬のほかに渡航費と2年分の滞在費を出してくれるという高待遇で、フィリピンのエキゾチックな絵はがきが同封されていた。
心引かれるヘブン。
ひとりなら絶対に行く。でも……。
学校でロバートに話すと、彼はフィリピン行きをお勧めする。
「すぐにでもそれは行くべきだよ。ただの英語教師の私ですら気づいている 日本にいても、もう書くものを見つけられない」「滞在記に書いてある日本はまるで奇跡だ」と。
作山(橋本淳)も「この先、日本では古き良きものを見いだすのは困難であろう」と言う。なかなか意味深である。日本はどんどん西洋の影響を受けて近代化しているのだ。
「フィリピンへ行きなよ」
ロバートに何度もそう言われ、影響されたヘブン。トキの英語の練習に「フィリピン」のワードを盛り込む。
「初めてフィリピンに来ました」「フィリピンは良いところです」







