「I want to be with you」

「フィリピン」のサブリミナル。トキを洗脳しているようなものではないか。ヘブンってこんな卑怯(ひきょう)な人だったのか。

 でもトキは理解できないし、うまく言えない。

 ヘブンはちょっといらいらする。ヘブンは“いらち”だと思う。

 でもようやく「素晴らしい なめらか」と褒めることができた。

 トキは「I want to be with you」(あなたとずっと一緒にいたい)というフレーズはすらすら言えた。

 言葉の意味を知った司之介(岡部たかし)がフミ(池脇千鶴)にささやくと、フミはばっさり打ち捨てた。冷めた妻である。

 ヘブンはトキを外国に連れていきたい。トキはヘブンとずっと一緒にいたい。でも外国には行きたくない。トキとヘブン、ふたりの思いがすれ違う。

 トキは「I want to be with you」以外はうまく聞き取りも発音もできないので、ヘブンは今日のレッスンを終わりにし、「そしていつかフィリピンへ行きましょう」とまた小さくひとり言。

 ヘブンってこんな卑怯な人だったのか。ただ、異国の文化への思い入れだけは変わっていない。

 すっかりフィリピンに行く気になっている。未知なるフィリピンには作家としてのモチベーションがわくのだろう。

 何も知らないトキは無邪気に英語のレッスンをがんばっている。

「I want to be with you」とヘブンに唯一褒められた言葉をリフレインしているところが健気(けなげ)だ。

 この言葉どおりとしたら、トキがフィリピンでもどこでも一緒に行くべきなのか、それともヘブンに日本にいてと懇願するのか、どっちの希望が優先されるだろうか。

岡部たかしがささやいた英語の“愛の台詞”、池脇千鶴演じる妻の意外な反応〈ばけばけ第106回〉
岡部たかしがささやいた英語の“愛の台詞”、池脇千鶴演じる妻の意外な反応〈ばけばけ第106回〉