アルファベットは可食率を
数字は見た目の美しさを表す
詳しく見ていきましょう。
まずアルファベットの部分ですが、これを「歩留まり等級」と言います。
牛は、
枝肉:牛から内臓や四肢、頭や尾を取り除いた状態の肉
↓
部分肉:枝肉から骨や余分な脂肪を除いた状態の肉
↓
精肉:食べやすくカットされた食用の肉
という順序で食肉に加工されていきますが、歩留まり等級は、枝肉量に対する部分肉量の割合によって決定されるのです。
具体的な基準は、72%以上であればA、69%以上で72%未満であればB、69%未満であればCとなります。
つまり、最初のアルファベットは「その牛から無駄なく肉が取れるかどうか」という効率性を示しているだけであり、味の要素は一切加味されていないわけです。
次に数字の部分ですが、これを「肉質等級」と言います。肉質等級は、霜降りの度合い、肉の色、きめ細かさなどを専門家が見た目で評価して決定されるのです。
同書より転載 拡大画像表示
この評価には「BMS(ビーフ・マーブリング・スタンダード)」という基準が使われます。BMSは1~12までの12段階があり、数字が大きいほど霜降りの状態がいいことを示しています(12が最良)。
そして、このBMSの数値にもとづいて、次のように1~5の肉質等級に分けられます。
・BMS1→1等級
・BMS2→2等級
・BMS3~4→3等級
・BMS5~7→4等級
・BMS8~12→5等級
つまり、簡潔にまとめると、5等級は見た目が美しく、きめ細かな霜降りがたっぷりの状態の肉であるということになります。一方で、1等級は、霜降りよりも赤身の部分が大半を占めている肉ということです。
脂身が苦手ならば
あえて等級を落とすといい
『知ればもっと美味しくなる!大人の「牛肉」教養』(小関尚紀、三笠書房)
ここまで見てきたように、A5ランクなどの牛肉の格付けには、枝肉から取れる部分肉の量を測定した「歩留まり等級」(アルファベット)と、霜降りの度合いなどを見た目で判断する「肉質等級」(数字)しか反映されていません。
そのため、味のよし悪しはまったく関係ないのです。「C」だから、「2」だからといって、その肉の質が悪いということにはなりません。
「A5ランク」とは「1頭の牛から取れる肉の量が多く、霜降りが美しくて見た目がいい肉」という意味です。脂身が苦手な方であれば、A5ランクよりも、A3ランクやA2ランクの赤身が多い肉のほうが、口に合うこともあるでしょう。
「A5ランクだから美味しいに決まっている」という信仰に振り回されることなく、この格付けの意味を理解した上で、ぜひ自分の好みに合った牛肉を見つけてみてください。







