インターネットで飲食店を選ぶときにどうしても目についてしまう、悪評レビュー。さまざまな角度で食を味わってきた所ジョージによれば、そんなものに振り回される必要はないと言う。外食が今よりもずっと楽しくなる、所さん流の「食」との向かい方とは?※本稿は、デイトナ編集部編『所ジョージの世田谷ベースVOL.59 新解釈 スーパートコロ辞典』(ネコ・パブリッシング)の一部を抜粋・編集したものです。
甲府の中華料理屋で
店主の仕事ぶりに感動

所ジョージ(以下、所):ウチのカミさんと山梨県の甲府市にある中華料理屋さんに行った事があるんだけどさ。
編集部:わざわざ甲府まで、その為にだけ行かれたんですか?
所:そうだよー『オモウマイ店』っていう番組で紹介されていた『かんざし』っていう店でさ。
そこの店主の働きっぷりと、人柄が良いんだよ。まあ、とにかくよく動くんだよね。甲府では人気でけっこう大きな店なんだけど、厨房で料理作るのは店主ひとりなの。
で、ひっきりなしに注文がはいるんで、とにかく全力で一生懸命作るの。ほとんどビデオの早送り状態(笑)。
だからといって、雑に作ってるんじゃなくて、料理作ったら律儀に毎回、中華鍋をきれいに洗うんだよ。サッと水で流して、とかじゃなくてちゃんときれいにするの。よく見ると、厨房もピカピカでさ、きちんと掃除して磨いてるんだよ。
あれだけ日中動いていて、店を閉めた後もちゃんとやってるなーってわかる。まあ、とにかく一生懸命働いてるのが伝わったんだよ。
でもね、10年くらい前に店を始めた時は、まったくお客さんが入らなかったんだって。悩んだ店主は一生懸命考えて、『ごはんをいっぱい食べて満足してもらえて、しかも安い』っていうやり方にしたと。