「焼肉のシメにカルビ」「デザートにエクレア」でもOK!糖尿病専門医が教える“賢い不摂生”とは?Photo:PIXTA

焼肉の締めにはカルビを頼み、夕食の最後はエクレアが飾る。一見不健康そうな食事だが、これこそ医師の山田悟(北里大学北里研究所病院糖尿病センター長)氏が提唱する「賢い不摂生」だ。好きなものを我慢するのではなく、食べ方を少し工夫するだけでいい。そんな一生太らず健康に過ごす方法を、山田氏が明かす。※本稿は、週刊新潮編『ラクに長生きしたい人のためのよくばり健康法』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。

好きなものを我慢しない
「賢い不摂生」という選択

 私は糖尿病の専門医です。そして私は甘党です。リンゴやブドウといった果物に加え、エクレアやアイスクリームなども大好物です。同時に私は左党でもあります。基本的に毎日、晩酌をたしなんでいます。

 好きなものは我慢せずに何でも食べ、美味しくいただく。食の楽しみを謳歌しているわけです。から揚げをおつまみにハイボール。お酒好きには堪らない至福のひと時と言えるでしょう。

 しかし、これは決して「医者の不養生」ではありません。実際、私は50歳を超えた今でも学生時代と同じ体重を保っています。科学的、医学的な根拠に基づき、「好きなものを食べ、好きなものを飲む」を実践しているのです。

 私を含め多くの人はごく普通の人間であり、仙人ではありません。そうである以上、我慢し通しの生活なんてできないし、そもそもつまらないじゃないですか。不摂生こそ人生の醍醐味だと思うのです。

 これを私は「賢い不摂生」と呼んでいます。

「メタボリックドミノ」という言葉があります。文字通りメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を経由して、糖尿病や高血圧症、脂肪肝を手始めに、やがては認知症や、がん、脳卒中、心不全などの死に至る病につながるといった具合で、ドミノが倒れていくようにさまざまな症状や病気が引き起こされていく現象を指します。