トヨタ・アルファードにそっくりな「中国EV」とは? Photo by Yoichi Morohoshi
バンコク国際モーターショーの熱狂をリポートします。特にユニークだったのが、中国EVメーカーが、トヨタ自動車の高級ミニバン・アルファードに似たEVミニバンを出していたこと。タイや中国では非常に人気となっているようです。(モータージャーナリスト/安全運転インストラクター 諸星陽一)
中国EVが席巻するタイ新車市場
今年もバンコク国際モーターショーに行ってきました。2026年は12日間の延べ来場者数が過去最高の179万8312人を記録。ジャパンモビリティショー2025が101万人だったので、その盛況さが分かるでしょう。
世界各地で開催されるモーターショーは、各社が最新技術やメッセージなどを披露する場です。一方、バンコクショーは各社イチオシの新車が特別価格で購入できる、即売会の意味合いが強いイベントです。今回、(購入)予約された台数は、13万2951台とこれまた最高記録。タイの25年新車販売台数は62万1166台なので、ショー中だけで年間販売台数の20%強を占めます。
最多予約を確保したのが、中国の電気自動車(EV)メーカーのBYD。24年まではトヨタ自動車が圧倒的な1位でしたが、25年にBYDが逆転トップに。その状況が2年連続するとは……。しかも10位内に入った日本ブランドは2位のトヨタと10位のホンダのみで、他は全て中国ブランドでした。※ランキング詳細は別記事
BYDアジア太平洋自動車販売事業部ゼネラルマネージャーの劉学亮氏に話を聞くことができたので、「イラン情勢による原油高の影響」について質問すると、力強くこう答えました。
「今回の石油危機を乗り越えるのに今、私たちできることは、ガソリン使わないことです。しかし、日々の移動手段として自動車は欠かせないもの。EVはこの状況下では有利になるでしょう」(同)
すでにタイでは25年の新車登録に占めるEVの割合が24.79%、つまり4台に1台はEVです。首都バンコクに限ればこの割合はさらに上がります。
バンコクショーでもEVがかなりの数、展示されていました。中でもきっと日本人の目に最もユニークに映るのは、トヨタの高級ミニバン、アルファードに似たEVが、タイで人気なことでしょう。
一例として、ニオ、Liオートと並んで中国3大新興EVの1社であるシャオペンの「X9」は、ぱっと見でトヨタのアルファードに対抗したEVであることがうかがえます。タイや中国ではこうしたモデルが多数存在し、もはや珍しいものではありません。
一方で、「タイのEV充電インフラは、郊外や地方では、まだ急速充電は難しい。帰省で長距離を走る場合などは、EVは使えない」(バンコクショーのジャトロン・コモリミス事務局長)という指摘もあります。
では、なぜタイではEVの人気が高いのか? 別記事『「日本人としてはショックです…」タイのモーターショーで起きた「大きな異変」』では、中国ブランドが台頭する理由を多角的に分析しています。複雑な要素が絡まり合うタイ自動車市場から目が離せません。







