「ダンロップ」や「ファルケン」ブランドのタイヤを手がける住友ゴム工業。新興市場開拓をどうするのか、池田育嗣社長に迫った。
──昨年7月に稼働した中国第2工場(湖南省長沙市)の稼働状況はいかがですか。
稼働率は現在、約90%です。ただし2015年に、同じエリアに独フォルクスワーゲンの工場が立ち上がる予定で、そうなると生産能力は足りなくなる。第1工場(江蘇省常熟市)では結構高いシェアで納入していますから、第2工場でもワーゲンへの納入を狙っています。
──第2期工事(15年に1日当たり生産能力3万本に増強を予定)を早めるということですか。
早めるか、第2期は計画通りやって、その次に手をつけるか。
──新たに第3工場も検討するということですね。
需要次第なんですが、状況に応じては当然あり得ます。場所はやはり内陸でしょうね。世界のタイヤの需要は年平均4%ずつ伸びていくんですが、中国はその倍です。
──ワーゲンへの供給を重視するのはなぜですか。
まず、日系自動車メーカーは大事な相手です。けれど今から伸びていくのはどこかと考えると新興国、そこに強いのはワーゲンで、大きな威力があります。
今後はブラジルやトルコ、南アフリカ共和国などの新しい拠点が立ち上がり、当然、日系も狙いますが、ワーゲンであったり将来は米ゼネラル・モーターズや韓国の現代自動車への納入も狙います。新車用タイヤにおける海外自動車メーカーへの納入率を20年には35%まで引き上げる目標です。