
遺産は要らない司之介
勘太の加入で、すっかりファミリー路線に突入かと思いきや、第23週のサブタイトルは『ゴブサタ、ニシコオリ、サン』(演出:村橋直樹)で、錦織(吉沢亮)が中心になるようだ。気になるー。
主題歌明け、トキとヘブンは役所を訪ねる。
息子が生まれたから3人で同じ戸籍に入りたい。ただし、ヘブンは現在英国籍。この事情を聞いた役所の人は、担当することを渋り、たらい回しにしようとする。これまでにない事例なので、担当したくないのだ。
結局、その日は何も分からず――で、役所の対応に視聴者が疑問を感じていると、「〜きちんと調べ、改めて説明に来てくれました」と「丁寧ね」と蛇と蛙(渡辺江里子と木村美穂)。
役所の人が丁寧で誠実な人たちに描かれて、よかった。たいていこういう場合、無責任に書かれがちなうえ、突然、お助け人のようにいい人が出てきがちだから。
役所の人は、ふたつの方法を提示する。
1つはトキと勘太がヘブンの戸籍に入り、イギリス人として日本で暮らす方法。
「どこからどげ見ても日本人じゃがの」と司之介がお約束のツッコミ。
そこはスルーして、そうするとヘブンが亡くなった場合、遺産はすべて英国に行き、トキにも勘太にも「ビタ一文入らないなどの不利益がございます」と役所の人。
もう1つは、ヘブンと勘太が、トキの戸籍に入り、家族3人とも日本人になる方法。これなら日本で何不自由なく暮らせ、遺産もトキたち家族が得られる。その代わり、ヘブンの外国人としての特権を失う。日本を出て自由に外国に行くことが難しくなると知って、ヘブンは眉間にシワを寄せる。
それぞれが何を大切にするか。究極の選択。
ヘブンは、家族全員の幸せを大切にしたい。
そこで司之介が遺産はもういらないと言う。
すごく珍しいことを言うと、フミとトキが目を丸くする。ヘブンまで。「珍しい」
ヘブンとトキが一緒にならなかったら、今でもうちは借金地獄だった。それを思うと、もう十分だと言うのだ。
「もらいすぎるくらいもらったけん」
フミも同意する。
なんてまともな考え方であろうか。
さんざんおかしなふるまいをしてきた司之介も、金銭的なゆとりや孫というゆとりを手に入れて、すっかり満たされたのであろう。まあ、投資依存みたいなことはドラマを面白くするためのものであって、このドラマにおける司之介は、根っからおかしな人ではなかった気がする。あくまでドラマをおもしろくするためにおかしくふるまっている人物という位置づけだったと思う。
イギリス人になっても、日本人のままでも、大切なのはヘブンらしさ。とトキは言う。
子どもができたら、すっかり落ち着いた感じのトキ。ヘブンがフィリピンに行ってしまうと聞いたときはあんなに混乱していたのに。
しっかり家族になると言ってもらえたことが自信につながっているのだろう。やはり籍というルール(保障)があるのとないのとでは大きな違いがあるようだ。







