自分にとって「本当に大切なもの」を知る
では、具体的にどうすればいいのでしょうか? まずは「自分にとって何が大事なのか」をきちんと知っておくことが重要です。
私自身の話をすると、30代の時に父親が倒れ、その3年後には当時のパートナーが亡くなりました。残されたクリニックを一生懸命経営し、軌道には乗ったものの、様々なトラブルや業務に追われ、うつ病になってしまったことがあります。自分が倒れるわけにはいかないと、治療をしながら必死に働いていました。
その経験を通して、「のどかに生きて、幸せだと感じられることが全てだ」と心から思うようになりました。平和な時間、美味しいご飯を食べる幸せ、ぐっすり眠ること。そして、高齢になった母親や今のパートナーと、おしゃべりしながら過ごす毎日の時間。私にとっては、そういった平穏な日常こそが最も大切なものなのです。
平穏な日常がベース、その他は「おまけ」
仕事の依頼や本の出版、テレビ出演なども、もちろんありがたく大切なことです。しかし、それはあくまで「平穏で健康な暮らし」や「大切な人との時間」というベースがあってこそのものです。万が一何かが起きた時、私は絶対にこの日常と周りの人との時間を守ろうと決めています。それさえあれば生きていけるからです。
自分のコアとなる部分が保たれていれば、他のことは「いただけたらありがたい」という認識でいられます。この優先順位が分かっていないと、目の前の物事に執着し、「失うのが怖い」という焦りや恐怖にとらわれてしまいます。
本当に欲しいものと、単に執着しているものを混同してはいけません。人間は不安になると、執着しているもののほうが大事だと思い込み、結果として本当に大切なものを失ってしまうことがあるからです。
あなたにとって一番大切なものは何ですか?
今日お伝えしたかったのは、「あなたにとって本当に大事なものは、あなたの人生そのものではないですか?」ということです。そして、「あなたの人生にとって、本当に大切なものは何ですか?」という問いかけです。
本当に大切なものを、どうか忘れないでください。もし分からなくなりそうなら、紙に書き出したり、標語のように部屋に貼っておいたりするのも良いと思います。ぜひ、あなた自身の人生を、あなたらしく歩んでいってください。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。






