【解説】働き者の「お掃除部隊」をサポートする最強の習慣

ミクログリアという頼もしい存在が私たちの脳内にいるとわかった今、私たちが取り組むべきことは非常にシンプルです。それは、彼らが最高のパフォーマンスを発揮できる「労働環境」を整えてあげることです。

そのために最も効果的で、今日からすぐに始められるのが「質の高い睡眠」をとることです。ミクログリアによる脳内の大規模な清掃作業は、私たちがぐっすりと深く眠っている間に最も活発に行われます。つまり、睡眠不足が続くと、お掃除部隊の作業時間が削られ、処理しきれなかったゴミが脳内にどんどん溜まってしまうのです。

1日7時間程度の十分な睡眠を確保することは、ミクログリアに掃除の時間をプレゼントする、最高のサポート術となります。

「血流アップ」と「腸内環境」で防衛力を底上げする

また、ミクログリアが脳内をパトロールし、異常な現場へ素早く駆けつけるためには、脳の隅々まで新鮮な酸素と栄養を運ぶ「血流」が不可欠です。1日20分程度のウォーキングや、エレベーターではなく階段を使うといった日常の軽い有酸素運動を取り入れるだけで、脳の血流はアップし、彼らの働きを力強く後押しできます。

さらに、ミクログリアは免疫細胞の一種であるため、全身の免疫の要である「腸内環境」とも密接に連動しています。食物繊維や納豆、ヨーグルトなどの発酵食品を意識して摂り、腸を元気に保つことが、結果的に脳の鉄壁の防衛網を維持することにつながるのです。

100歳までクリアな脳は
今日からの小さな選択で決まる

認知症になるか否かは、決して運命や遺伝だけで決まるものではありません。私たちの脳内では、今この瞬間もミクログリアがあなたの健康を守るために必死に働いてくれています。

「よく眠り、よく動き、腸を整える」。この当たり前とも思える日々の生活習慣こそが、彼らへの最大の労いであり、最期まで自立して人生を楽しむための最も確実な投資となります。ぜひ今日から、あなたの脳内で頑張るお掃除部隊を応援するつもりで、一つでも脳に良い習慣を始めてみませんか?

※本稿は『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。