「逃げる」ことはネガティブな行為ではなく、限られた人生の時間を守るための立派な「戦略」です。他人の目を気にする他人軸を手放し、嫌なことから早めに避けることは、好きな方へ進むことと同じく自らの選択です。ただ嫌だからやめる現実逃避ではなく、「自分が納得していないものから逃げる」という、自身が腑に落ちる選択肢を持つことが人生を好転させます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)

【精神科医が教える】「他人の目」を気にしすぎて行動できない人が、知らずに陥っている心理的習慣とは?Photo: Adobe Stock

「逃げる」ことはネガティブなこと?
戦略としての「逃げ」

今日のテーマは「逃げることは◯◯である」というお話をお届けしたいと思います。結論からズバリ申し上げますと、逃げることとは「戦略」です。

そもそも「逃げる」という言葉には、あまりポジティブなイメージがありませんよね。そのため、逃げることは何か悪いことのように思い込んでいる人が多いのですが、私は逃げること自体にポジティブもネガティブもないと考えています。

それは単純に、自分の進む「方向性」の問題なのです。

なぜ「逃げ遅れ」が発生してしまうのか

逃げることを「戦略」だと認識していないと、いざという時に逃げ遅れてしまいます。

逃げ遅れてしまう人というのは、基本的に逃げることに対してネガティブなイメージを持っているため、「ギリギリまで頑張ろう」と考えて身動きが取れなくなってしまいます。しかし、本当に逃げなければならない事象が起きている時は、早急に行動するに越したことはありません。

私は直感的に「ここに長くいても将来がないな」「自分のやりたい方向性とは違うな」と感じたら、迷わず逃げるという戦略を選びます。

人生の残り時間(タイマー)を意識する

なぜ戦略的に逃げる必要があるのか? それは、人間の生きている時間は限られているからです。皆さんの頭の右上に、自分の残り時間の「タイマー」が常に作動して、「チチチチ…」と減り続けている様子をイメージしてみてください。

毎日次から次へとやることがあると、私たちはついその限られた時間を忘れてしまいます。その結果、重要度の高くないことや、本当はやりたくないことに貴重なエネルギーと時間を割いてしまうのです。これは非常にもったいないことであり、後々の大きな後悔につながります。