「圧倒的な成功者」に天才がいない理由・ベスト1とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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「圧倒的な成功者」に天才がいない
圧倒的な成功者を見ると、ついこう思ってしまいます。
「あの人は天才だから成功したんだ」と。
しかし『ゆるストイック』という本では、その認識を根本から覆します。
成功の正体は、才能ではなく「確率構造」にあるというのです。
本書は、イグノーベル経済学賞に選ばれた研究を紹介しながら、次のように説明しています。
その研究では、「社会的な成功において重要なのは『才能』よりも『運』であることの数学的な証明」が示されたのです。
この研究の面白い点は、私たちが暮らす現実社会を、ある2つの世界の重ね合わせとして捉えているところです。
その世界とは、
1 「才能が支配する『正規分布』の世界」
2 「運が支配する『べき乗則』の世界」
という2つです。
――『ゆるストイック』より
ここで重要なのは、「才能の世界」と「成功の世界」は別物だという点です。
才能は平均に集まり、成功は偏る
本書は、この2つの世界の違いをこう説明します。
なだらかな山のような形を描く分布のことを指します。
身長や体重、身体能力、知能など、人間の統計を調べると、多くのデータが中央付近に集中するように描かれます。
「べき乗則」は、上位数パーセントの存在に多くの資源が偏る世界です。
グラフにすると、崖のような形状で右は長い尾のよう(ロングテール)になります。
この偏った世界では、異常なことこそが日常です。
私たちが生きる経済はまさに「べき乗則」の世界に支配されています。
――『ゆるストイック』より
つまり、こういうことです。
才能は、ほとんどの人が「そこそこ」の位置にいる。
しかし成功は、一部の人に極端に集中する。
このズレが、「天才が成功する」という誤解を生みます。
成功者は「凡人」から生まれる
さらに本書は、核心をこう述べます。
一方で、経済的な成功は、偶然のチャンスを掴んだ少数の人が大半の成果を得る「べき乗則」の世界にあります。
そのため、単に「才能があること」よりも、「たまたまの幸運を引き当てること」のほうが重要になるわけです。
また、正規分布の中央付近に位置する人が最も人数が多いため、成功を掴む「幸運な人」も、その中から生まれる確率が高いです。
少しのきっかけを掴めばいいので、「少しの才能」と「運」が成功の条件になる。
つまり、少しの才能を持った凡人の中から、圧倒的な成功者が生まれるのです。
――『ゆるストイック』より
ここが結論です。
圧倒的な成功者は、必ずしも最も才能がある人ではありません。
むしろ、「そこそこの才能」と「運」が重なった人です。
ベスト1の理由
「圧倒的な成功者」に天才がいない理由・ベスト1。
それは成功が『運の偏り』で生まれるからです。
才能は平均的に分布する。
成功は極端に偏る。
この構造の中では、最も才能がある人が成功するとは限らない。
『ゆるストイック』が示しているのは、現実的な視点です。
成功は、才能だけでは説明できない。
だからこそ、試行回数を増やし、チャンスを引く確率を上げる。
それが、最も合理的な戦略なのです。
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は9.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86をスタートさせた。








