<セロトニントランスポーター遺伝子の種類>
・LL型
・SL型
・SS型

 そして、この遺伝子タイプには、人種による大きな違いがあることが明らかになっています。

 興味深いことに、セロトニンが不足しやすいS型遺伝子を1つでも持っている人の割合は、私たち日本人では80.25%にも上るのに対し、アメリカ人では44.53%と、約半分にとどまっているのです。

 さらに驚くべきは、S型遺伝子を2つ持っているSS型の人の割合は、日本人ではなんと68.2%と非常に高いのに対し、アメリカ人ではたったの18.8%しかいません。つまり、日本人はアメリカ人と比較して、圧倒的にS型遺伝子を多く持つ傾向があるのです。

 ちなみに、L型遺伝子を持っている割合が高い人種は、アフリカ人だとする研究結果もあります。

日本人は疲労だけでなく
「痛み」にも弱い……!

 つまり、日本人は、遺伝的に脳疲労に陥りやすい人種なのです。そして、追い打ちをかけるようで申し訳ありませんが、それだけではありません。

 じつは、私たち日本人は「痛み」も感じやすい民族だということが、近年の研究で明らかになったのです。

 これは、私が脳神経外科手術の腕を磨くため、アメリカのノースカロライナ州にある病院に留学していたときの話です。そこで、私はある出来事を目の当たりにし、衝撃を受けました。

 その病院は、世界中の難病患者が集まる、脳外科手術の世界的拠点。日本での経験からすれば、大きな脳外科手術の後、患者さんには少なくとも1週間以上は痛み止めを処方し、退院までに1カ月程度かかるのが普通です。

 ところが、欧米人の患者さんたちはまったく違いました。

 ヨーロッパから手術を受けにきた患者さんが、大手術だったにもかかわらず、2~3日で退院し、そのまま飛行機に乗って帰国してしまうではありませんか!

 現地のドクターたちは、当然のように「アングロサクソンは痛みに強く、日本人は痛みに弱いのは、世界の常識だよ」と話していました。

 この術後の痛みに対するアプローチは、脳外科手術に限った話ではありません。出産や分娩を例にとっても、その差は明らか。日本では、産後に1週間程度の入院が一般的ですが、アメリカでは出産の翌日に退院することも珍しくないのです。