日本人の8割が“疲れやすい遺伝子”を持っている?脳疲労の意外な真実写真はイメージです Photo:PIXTA

他国の人々と比べ、日本人は疲れを感じやすく、不安を抱えやすい人種と言われている。その理由は性格ではなく、遺伝的要因や地政学的ルーツが深く関わっているという。私たちが長い歴史の中で培ってきた特性に迫る。※本稿は、医学博士の奥村 歩『10万人の脳を診てきた脳神経外科医が教える 脳を休めて整える習慣』(三笠書房)の一部を抜粋・編集したものです。

日本人が生まれながらにして
疲れやすい理由とは?

 驚くべきことに、近年の研究によって、日本人は遺伝子レベルで他の国の人たちよりも疲れやすい特徴を持っていることがわかってきたのです。

 この日本人特有の疲れやすさには、「セロトニン」が大きく関係しています。

 セロトニンとは、脳の司令塔である前頭葉の働きをスムーズに保つ非常に重要な脳内物質ですが、ここで知っていただきたいのは、セロトニンは脳にとって限られた貴重な資源だということ。

 だからこそ脳には、使用後のセロトニンをしっかり回収し、もう一度使えるようにする“リサイクルシステム”が備わっています。これを「セロトニントランスポーター遺伝子」と言います。

 このセロトニントランスポーター遺伝子には、2つのタイプがあります。効率よくたくさんのセロトニンを再利用できるL型遺伝子と、残念ながらリサイクル効率が低いS型遺伝子です。

 S型遺伝子を持っているとセロトニンが枯渇しやすく、疲れやすい体質になってしまうため、「疲労遺伝子」とも呼ばれています。

 私たちはこの遺伝子を両親から1つずつ受け継ぐので、遺伝子の組み合わせは次の3つのどれかになります。