「大丈夫です!」の裏にあるSOSを見逃さない
この心理メカニズムを、職場の日常的なシーンに当てはめてみましょう。たとえば、連日の業務で明らかに疲弊している部下に「無理していない?」と声をかけたとします。その際、部下が「大丈夫です! 頑張ります!」と元気に答えたとしても、その言葉だけを信じるのは非常に危険です。
なぜなら、部下自身が「自分は大丈夫だ」と言い聞かせるうちに、言葉に引っ張られて、本人すらもそう思い込んでいるだけかもしれないからです。本心や身体では限界が近づいているのに、言葉の自己暗示によってSOSに気づけていないケースは少なくありません。
真の共感とは「言葉の奥」に寄り添うこと
管理職やマネジャーに求められる真の共感力とは、表面的な言葉尻だけを捉えることではありません。部下の表情、声のトーン、普段の様子などを総合的に観察し、心の中で「本当にそうだろうか?」と問い直す視点を持つことです。
「大丈夫です」という言葉の裏にある「本当は助けてほしい」「少し休みたい」という無意識のサインに気づき、先回りしてフォローを入れる。それこそが、部下を守り、チームの信頼関係を盤石にするマネジメントの要となります。ぜひ、言葉を鵜呑みにせず、その奥にある真意に寄り添うコミュニケーションを意識してみてください。
※本稿は、『伝え方ひとつで部下が動き出す 上司の「コミュ力」大全』(ダイヤモンド社)をもとに作成しました。









