◆慕われる上司はホームランを狙わない…部下の心をひらく「共感のセオリー」
部下が動かない、Z世代との距離感がつかめない……そんな悩みを解決するのが、ソフトバンクで「汐留の母」と呼ばれた澤田清恵 著『伝え方ひとつで部下が動き出す 上司の「コミュ力」大全』だ。生身のリーダーに求められる最強の武器は、生成AIには代替できない「コミュ力(共感力)」。同書をベースに、表面的なテクニックではなく、心・技・体を整え、信頼で組織を動かすための実践的ノウハウを紹介しよう。
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こちらの意図が正しく伝わらない……
部下との1on1や日々のフィードバックにおいて、「話をうまく引き出せない」「こちらの意図が正しく伝わらない」と難しさを感じることはないでしょうか?
価値観が多様化する現代のマネジメントにおいて、メンバーと深い信頼関係を築き、チームを牽引するためには「共感力」が不可欠です。しかし、共感力は生まれ持ったセンスだけで決まるものではなく、順序立てて身につけることができるスキルでもあります。
準備段階としての「心・技・体」
スポーツや武道において「心・技・体」のバランスが重要であるように、実は対人コミュニケーションにおいてもこの3つの要素が強固な土台となります。
相手を理解しようとする真摯なマインド(心)、相手のペースや声のトーンに合わせるペーシングの技術(技)、そして、うなずきや適切な姿勢・視線といった身体的な同調(体)。これらを意識することが、相手との間に安心感を生み出す第一歩です。
ここまで紹介してきた「心・技・体」は、コミュ力の核となる共感力を高めるためのいわばウォーミングアップです。これらが整って、ようやくコミュニケーションという打席に立つ準備が整ったといえます。マネジャー自身がまずこの土台を整えることで、部下は「自分の話を受け入れてもらえる」という心理的安全性を感じることができるのです。
いざ「打席」へ。部下と向き合うスタンス
ウォーミングアップを終え、いざ面談やミーティングの場に臨む場面を想像してみてください。では、いざ打席に立ったとき、実際にどんなスタンスで相手に向き合えばよいのでしょうか?
管理職における「打席」とは、部下と正面から向き合い、彼らの悩みや目標に対して共に解決策を探る真剣勝負の場です。しかし、ここで求められるのは、上司が完璧なアドバイスという「ホームラン」を打つことではありません。相手の言葉の奥にある感情に寄り添い、共に考えようとする伴走者としてのスタンスです。
正しい論理を直球で投げ込む前に、まずは相手の現在地に立って物事を見る姿勢が問われます。
実践編:「共感力を高める3つのセオリー」
土台となる準備が完了し、打席に立つ心構えができたら、次はいよいよ実践的な対話の手法に入ります。このときに大切になるのは「共感力」です。部下の本音を的確に引き出し、納得感のある合意形成を行うための強力な武器となります。
共感力を高めることで、ただ優しく話を聞く上司から、部下の自発的な行動変容を促し、組織全体のパフォーマンスを底上げできるリーダーへと成長できるはずです。
※本稿は、『伝え方ひとつで部下が動き出す 上司の「コミュ力」大全』(ダイヤモンド社)をもとに作成しました。









