保護者は「お客様」ではなく
子どもの時間を守るための「協力者」に

 ていねいな連絡帳は1つの象徴にすぎません。本質的な問題は、「子どもの保育」と「大人のための手間」のバランスが崩れつつあるという点です。

 だからこそ、園長や保育士だけでなく、保護者も含めて一緒に考えていきたい問いがあります。その業務は本当に子どものための時間コストなのか、それとも大人のための時間コストなのか。大人同士が協力すれば減らせたり、別の方法に変えたりできないか――そんな視点です。

 保育士不足、公的資金の縮小、コンプライアンス強化と前提条件がたくさんある中で、どのように工夫するかが重要な鍵となります。保護者の立場が「サービスの受益者」ではなく、子どもの時間を守るための「協力者」としてもらえると、現場としてはとても心強いです。

その園は「大人に寄り添う園」ですか
それとも「子どもに寄り添う園」ですか?

 保育園が「選ばれる時代」になった今こそ、「大人に寄り添う園」ではなく「子どもに寄り添う園」を一緒に作り上げていくことが大切だと思います。

 保育園に求められているのは、子どもにとって最適な環境を維持することです。そのために、保育士が子どもと過ごせる時間をどう守るのか。そのために大人同士でどんな協力ができるのか。保護者と園が対立するのではなく、パートナーになれたらと願っています。

 連絡帳のあり方は、現代の保育園事情を映す鏡の1枚です。子どもに対する保育士の時間が、少しでも子ども自身のために使われるようにという願いは、保護者と保育園で共通しているはずではないでしょうか。