松本正義
Photo by Satoru Oka/REAL

──足元の業績は?

 かつてのITバブル崩壊後、当社は初めて最終赤字に転落した(2003年3月期)が、昨春までの最悪期は、あの悪夢再来を予感させた。リーマンショック後の需要の落ち込みは急速で、かつ底が見えなかった。

 とにかく早急に身の丈に合った規模にする必要があった。そのため、大幅な人員削減という苦渋の決断を下した。今回は全事業が厳しく、従業員の再配置では対応できなかったからだ。海外で約2万5000人、国内で約5000人の削減に踏み切り、従業員は16万人から13万人に縮小した。

 今中間期も最終赤字となったが、損益分岐点が下がったことで業績は改善し、昨夏以降は黒字に転じている。

──中期経営計画(08~12年度)を見直す可能性はあるのか。

 最終年度の目標(12年度に連結売上高3兆円、連結営業利益2100億円)を変えるつもりはない。昨年末に経営陣で議論し、最低でも連結売上高2兆8000億円、連結営業利益1900億円は達成できるという結論になった。不足分は経営陣がひと踏ん張りしなければならない。企業買収などを検討することになるだろう。