強烈な経営者のもとに
強烈なモチベーションは生まれる
本田 やっぱりそれって、経営者であるマーク・ベニオフのビジョンを一緒に追いたいというのもあると思うんですけれど。今、こちらの会社は成長しているし、株価も伸びてきているので、株から得られるメリットは、すごい大きいと思うんですよね。やればやるだけ違う意味で返ってくるというか。それも大きいんですかね?
石井 確かに大きいですね。でもそれ以上にやっぱり楽しい、おもしろいんだと思います。
何がすごいイノベーションかって、例えばChatterの中で、「自分のGメールも見れたらいいよね」と発言すると、そのアイデアをすごい短い時間で完成させてしまうんです。普通の会社だと数年かかるのが、うちだと数ヵ月単位。小さいイノベーションかもしれないんですけど、お客様から見ると本当に使い勝手がよくて、「これは、いいけど、ここがダメだよね」ということがない商品というのは、素晴らしいなと思いました。
それをやらせるための環境作りとしては、すごく働く時期と、自由度を上げる部分と、混沌、カオスとのthin lineだと思うんですが、そこのバランスを取りながらやっていかなきゃいけないんです。
セールスフォース・ドットコムも、急激な成長の背景には、間違いなくマーク・ベニオフという経営者の存在がありました。夢を掲げて、それを達成したら、また次の夢を掲げ、達成していく。そのたびに会社は大きくなっていく。
みんなで会社を大きくするんだ、成長するんだ、株価を上げるんだという強烈なモチベーションがあって、ハードワークも厭わない。しかも、掲げる夢が次々に実現されていくので、大きな達成感が得られる。
上場を目指しているベンチャーや、上場したベンチャーが必ずしもこうなるわけではありません。だから、経営者を見なければならないのです。成長をし続けられなければ、次々に人は離れていきます。リワードされないのです。しかし、リワードされたなら、仕事に多少、面白みがなかったとしても、誰もがついていくのです。
※次回は7月17日更新予定です。
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本田直之(ほんだ・なおゆき)
レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長兼CEO
シティバンクなどの外資系企業を経て、バックスグループの経営に参画し、常務取締役としてJASDAQへの上場に導く。現在は、日米のベンチャー企業への投資事業を行うと同時に、少ない労力で多くの成果をあげるためのレバレッジマネジメントのアドバイスを行う。東京、ハワイに拠点を構え、年の半分をハワイで生活するデュアルライフを送っている。
幸福度ランキングトップの北欧(デンマーク、スウェーデン、フィンランド)の人たちと幸福について語り合って著した近著『LESS IS MORE 自由に生きるために、幸せについて考えてみた。』(ダイヤモンド社)が話題になっている。
このほかの著書に、ベストセラーになったレバレッジシリーズをはじめ、『ノマドライフ』(朝日新聞出版)、25万部を越えるベストセラーとなった『面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則』『ゆるい生き方』『7つの制約にしばられない生き方』(以上、大和書房)『ハワイが教えてくれたこと。』(イースト・プレス)などがある。
著書は累計200万部を突破し、韓国、台湾、中国で翻訳版も発売されている。