いままさに世界で生まれつつある「古い価値観や常識に縛られないあたらしい働き方」とは何なのか?ハワイをベースにノマドライフを実践する本田直之氏がパタゴニア、ザッポス、エバーノート、スタートトゥデイ、カヤックなど日米約20社の先進企業を取材して得た確信。

あたらしい働き方は、
もう始まっている

 午後3時で仕事が終わってしまう会社がありました。会社からの指示命令はまったくない、と語る人たちがいました。クルーズシップをオフィスにしている社員がいる、という会社がありました。1日数時間しか働かない、という人たちもいました。社長がサーフィンをしてから出勤する会社がありました。日数制限もなくいくらでも休んでもいい、という会社がありました。海外で1年間自由に遊んでいろいろ体験してこいという会社がありました。おもちゃ箱をひっくり返したようなオフィスで、まるで大学のサークルのノリで仕事をしている会社がありました。しかも、きちんと好業績を挙げ、利益を出している会社ばかり、なのです。

 ただ、最初に申し上げておかなければいけないのは、ラクチンで労働時間が短くて、気ままに働くことを求めて、こうしたあたらしい働き方に向かおうとしても、まず無理だと思ったほうがいい、ということです。

 たしかに、びっくりするような働き方がある。ハッピーで、心地良くて、みんながうらやむような働き方がある。しかし、そんなあたらしい働き方を実践している会社は、ラクして気ままに働きたい人を求めてはいないからです。そしてあたらしい働き方を手に入れるには、相応の能力やスキル、考え方が求められるからです。

 もっといえば、大変な競争率の中を勝ち抜かなければ、手に入れることができない働き方だからです。

あたらしい働き方がどんどん出てくる今、<br />なぜまだ昔の基準のまま会社を選ぶのか

本田直之(ほんだ・なおゆき)
レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長兼CEO
シティバンクなどの外資系企業を経て、バックスグループの経営に参画し、常務取締役としてJASDAQ への上場に導く。現在は、日米のベンチャー企業への投資事業を行うと同時に、少ない労力で多くの成果をあげるためのレバレッジマネジメントのアドバイスを行う。東京、ハワイに拠点を構え、年の半分をハワイで生活するデュアルライフを送っている。

幸福度ランキングトップの北欧(デンマーク、スウェーデン、フィンランド)の人たちと幸福について語り合って著した近著『LESS IS MORE 自由に生きるために、幸せについて考えてみた。』(ダイヤモンド社)が話題になっている。
このほかの著書に、ベストセラーになったレバレッジシリーズをはじめ、『ノマドライフ』(朝日新聞出版)、25万部を越えるベストセラーとなった『面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則』『ゆるい生き方』『7つの制約にしばられない生き方』(以上、大和書房)『ハワイが教えてくれたこと。』(イースト・プレス)などがある。
著書は累計200万部を突破し、韓国、台湾、中国で翻訳版も発売されている。