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回転寿司業界でひと際存在感を放っているのが、FOOD & LIFE COMPANIESが展開するスシローです。同社は2025年9月期に、売り上げ・利益ともに過去最高を更新しました。
同じ回転寿司チェーンであるくら寿司や、ゼンショーホールディングス傘下のはま寿司に、大きく差をつけている状況です。この差はなぜ生まれたのでしょうか。その理由は、DXでも、ネタの品質でもありません。スシローは、「選ばれやすさ」そのものを構造として設計していたのです。(グロービス経営大学院教員 太田昂志)
日本の回転寿司チェーン界で
「規模の拡大」と「収益の創出」を両立するスシロー
まず、回転寿司チェーン主要各社の業績を確認してみましょう。
各社で決算期や会計基準が異なるため厳密な横並び比較はできませんが、それでも単純に見れば、スシローが売り上げ・利益ともに他2社を上回っていることは明らかです。
さらに注目すべきは、スシローの海外売り上げ比率が約3割に達している点です(2025年9月期時点)。
一般的に外食産業における海外展開は、商習慣や消費者嗜好の違い、為替変動、規制対応、物流体制の構築など、多くのハードルを伴います。拠点が増えれば管理コストも膨らみやすく、売り上げは伸びても利益が圧迫されるケースも少なくありません。
にもかかわらず、スシローは海外を含めた事業全体で一定水準の利益を確保しています。単に「規模が大きいから儲かる」のではなく、規模を利益に変換できる仕組みがなければ、ここまで利益は残りません。
なぜスシローは、「規模の拡大」と「収益の創出」を同時に実現し、競合と比べても一段と強い成長を続けられているのでしょうか。








