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愛知県・名古屋市発祥のコメダ珈琲店(以下コメダ)。一見、レトロで牧歌的な喫茶店チェーンに見えますが、その営業利益率は18.7%(2025年2月期) で同業他社であるスターバックス コーヒー ジャパンの7.7%(2024年9月期)、ドトールコーヒーの4.9%(部門利益率/2025年2月期)を圧倒しています。
その秘密を紐解くと、コメダの業界の常識を覆す「逆張り」戦略が見えてきます。この「逆張り」が、なぜこれほどの収益力につながるのでしょうか。その裏にある、徹底した合理性を分析していきます。(グロービスAI経営教育研究所所長/グロービス経営大学院教員 鈴木健一)
業界の常識を無視して
コメダが高収益を実現できるワケ
コメダ珈琲店(以下コメダ)の戦略をひもといていくと、一見、“業界の常識”とは正反対の方針をとっているように見えます。
例えば、店舗では業界の定石である「回転率重視」ではなく、長居もOK。また、店舗を統括する本部はフランチャイズ管理の常識である「売上歩合ロイヤリティ」ではなく「定額ロイヤリティ」を採用しています。
今回は、その「逆張り」の裏にある合理性を店舗と本部の双方から見ていきます。
店舗の回転率を重視しない
「長居OK」でも儲かる秘密
一般に、飲食業界のKPI(重要業績評価指標)としては、座席回転率が重視されています。
特に、セルフサービスタイプのカフェであれば、自然と滞店時間が短くなるように設計し、短時間でできるだけ多くのお客さんに対応することが収益を上げる鍵となります。
一方、コメダの顧客体験価値の提案は「くつろぐ、いちばんいいところ」で全く逆をいっています。果たして、そんな逆張りで大丈夫なのでしょうか。







