◆「そりゃ勝てるわ…」89歳のプロとパニックになる素人、株の成果を分ける“あるもの”とは?
「人生詰んだ」と絶望する40歳、小遣い月1万5000円のしがないサラリーマン。重いローンと教育費、冷え切った家庭に居場所を失った彼が拾ったのは、89歳の現役トレーダー・シゲルさんの古びた手帳だった。投資歴70年“投資の神様”から授かる、お金と人生を劇的に変える究極の授業。“小説形式”でスラスラ読めてドンドンわかる話題の書『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』から、どん底からの逆転劇の投資ノウハウを凝縮して解説する。
写真:川瀬典子
89歳の現役投資家が教えてくれた
「本当の投資の面白さ」
89歳になる大ベテラン投資家・シゲルさんにこんな質問をぶつけたことがあります。
「株の、何がそんなに面白いんですか?」
彼の答えは、とても静かなものでした。
「金はもう、いらんねん。これだけ年くってもうて、生きてくぶんには困らへん。でもな、自分の予想通りに動いたときのあの快感……あれがたまらんのや。『こうなる』って思った通りに動いてくれたときのな」
その瞬間、私は89歳という年齢の向こうに、まるで少年のように瞳を輝かせるシゲルさんの姿を見た気がしました。
「……骨の髄から、投資家なんですね」
思わずそうつぶやいた私に、シゲルさんはにっこりと笑って言いました。
「夢中になれるもんがあるから、人生はオモロいんや」
たったひと言ですが、その言葉は不意に私の胸の奥を貫きました。自分には大人になってから、これほど心を燃やせる「夢中になれるもの」があっただろうか。そして、自分にとっての株式投資は、そんな風に夢中になれるものなのだろうか、と。
「お金を増やす」以上の目的を持つ強さ
このシゲルさんの言葉には、私たち個人投資家が長く相場の世界で生き残るための、非常に重要なノウハウが隠されています。
投資を始めるきっかけの多くは、「資産を増やしたい」「将来の不安をなくしたい」というお金に対する動機でしょう。しかし、それだけが目的になってしまうと、含み損を抱えた時にパニックになったり、目先の利益に目が眩んで無謀な取引をしてしまったりと、感情のブレが生じやすくなります。
一方で、シゲルさんのように「自分の予想(仮説)が市場でどう評価されるか」というプロセスそのものを楽しめる人は、少々の損失では心が折れません。知的好奇心を満たすための冷静な分析が、結果として投資のパフォーマンスを押し上げていくのです。
投資を「仮説と検証のゲーム」に変える
では、個人投資家は、どのようにしてこの「面白さ」を日々の投資に取り入れればよいのでしょうか。それは、毎回の取引を「仮説と検証」のプロセスにすることです。
●自分なりのシナリオ(仮説)を立てる:漠然と「上がりそうだから」買うのではなく、「この企業の新しいサービスは半年後に話題になり、次の決算で利益が跳ね上がるはずだ」といった具体的なストーリーを描きます。
●「答え合わせ」の快感を味わう:予想通りに株価が動いたとき、それは単に口座のお金が増えたという以上の喜びになります。「自分の読みが社会の動きと一致した」という知的な快感を得ることができるのです。
●外れた時は「データ」として蓄積する:もし予想が外れて損切りすることになっても、単なる失敗ではなく「なぜ市場と自分の見解がズレたのか」を学ぶための有益な検証データに変わります。
一生モノの「夢中になれること」を見つける
シゲルさんが89歳になっても現役で相場に向かっているように、株式投資は体力に関係なく、一生涯かけて取り組める知的ゲームです。
目の前の利益だけを追うのではなく、企業を分析し、社会の未来を予測する。その過程そのものを楽しむ視点を持てたとき、投資は単なる作業を抜け出し、あなたの人生をより豊かで「オモロい」ものにする最強の趣味へと変わるはずです。
※本稿は、『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』(ダイヤモンド社)をもとに編集したものです。











