たとえば、週末の過ごし方として、次の3択があったとします。

A.副業のホームページ制作支援で2万円の副収入を得る。
B.大学院の講義を受け、ビジネスの勉強をする
C.地域の子どもたちと遊ぶボランティア活動に参加する

 Aを選ぶと、将来のキャリアアップや昇給の芽(B)と、社会的なつながりや信頼を得る機会(C)を、少なくともその瞬間には失うことになります。

 つまり「その選択によって、他に得られるはずだった価値をどれだけ失うか」、すなわち「見えないコスト」や「あきらめたほうの利益」というとわかりやすいかもしれません。

目先の利益にとらわれ
機会費用を考えられない

 ここで注意したいのが、サンクコスト(埋没費用)との違いです。

 サンクコストは「既に払ってしまって戻らないお金・時間」のことで、今からはコントロールできない過去の話を意思決定に影響させてはいけない、という話です。

 一方、機会費用は「これからどうすべきかを考える」ときに出てくる概念です。コントロール可能な将来の話なので、意思決定には反映させるべきものです。

 同じ「費用(コスト)」という言葉が出てくるので混同しがちですが、これらは似て非なるものです。ここを取り違えると、一気に判断がブレます。

 たとえば、「今晩は飲み会に行って友人たちとワイワイしゃべるか、家でゆっくりドラマでも見るか、どっちにしようか?」と迷う場面があったとします。

 そのとき、皆さんは無意識のうちに「友達の近況を聞いて刺激を得たいけど、そうすると胃腸や肝臓を休ませることができないな……」などと「機会費用」を考えたうえで決断しているはずです。

 しかし副業となると、多くの人が「合間の時間で収入を増やせる」といった表面的な損得だけで判断してしまいがちです。実際には、副業をするにせよしないにせよ、どちらの選択にも「見えないコスト」すなわち機会費用が存在します。

若手層が副業にチャレンジ
するのは軸足が定まってから

 副業における機会費用の考え方は、キャリアの段階によっても変わってきます。