だからこそ、日頃からコミュニケーションをよく取り、意識の共有を図り、信頼関係を築いておくことが大切です。ときには一緒にランチを食べたり、雑談をしたりすることも、その一つです。
この点は、2月に開催されたミラノ・コルティナ冬季オリンピックを思い出すとわかりやすいでしょう。競技の場面では、コーチが選手に対してかなり厳しい言葉で指導することがあります。しかし、あれが全てハラスメントになるわけではありません。
もちろん暴力や人格否定は絶対に許されませんが、厳しい指導が成立するのは、選手とコーチの間で意識が共有されているからです。
さらには、明確な目標もあります。オリンピックでは、金メダルを取る、世界のトップになるという目標が非常に明確です。選手とコーチはそのゴールを共有し、信頼関係の下でトレーニングに取り組んでいます。
信頼関係は、不適切な言動を正当化するものではありません。ただ、信頼関係がなければ、同じ厳しい言葉でも後で問題になるでしょう。
企業でも同じことが言えます。企業の存在意義である目的やそれを具体化した目標が共有され、信頼関係があり、規律が守られている職場では、ハラスメントは起きにくくなります。逆に、規律がなく、コミュニケーションも不足している職場では、何気ない一言が大きな問題に発展することがあります。
ハラスメント対策を考えるとき、研修も重要ですが、それだけに目を向けてはいけません。企業文化や社風、そして組織の規律、さらには目的や目標の共有そのものを見直すことが、経営者には求められているのです。







