フジテレビ2026年1月2日の新年一般参賀で手を振られる愛子さま(写真:REXアフロ)

「女性天皇に賛成」という声が国民の約7割にのぼり、天皇家の長女・愛子さまへの支持は根強い。しかし、その議論の陰に隠れてほとんど語られていないことがある。愛子さまが結婚後も皇室に残った場合、国の財政にどれほどの負担が生じるのか、という「おかねの問題」だ。今回、皇室に詳しい専門家の話を元に、実態を解き明かす。(綾部和也、ダイヤモンド・ザイ編集部)

宮家当主として独立すれば
皇族費は年間1525万円の純増に

「仮に愛子内親王殿下が結婚後も皇室に残られた場合、人件費だけで年間1億円以上かかるのは間違いないでしょう」

 宮内庁OBで皇室解説者の山下晋司さんは、そう断言する。読売新聞社が2025年秋に実施した全国世論調査では、女性天皇を容認する皇室典範改正について約70%が賛成と回答した。多くの国民が愛子さまを念頭に置いているのは明らかだ。しかし、男系男子にこだわる現政府のもとで女性天皇が誕生する可能性は極めて低く、現実的に議論が進む可能性があるのは「女性皇族が結婚後も皇室に残る案」である。

 では、その場合に国が負担するコストはどれほどになるのか。意外と知られていない「隠れ費用」も含めて、皇族のおかねについて整理しよう。

 現行の皇室典範では、女性皇族は結婚されると皇室を離れる。愛子さまが結婚後も皇室に残る場合、皇位継承者ではない以上、「独立した宮家の当主」となるのが自然な形だ。これは、今上天皇の弟である秋篠宮殿下が結婚によって内廷から独立した先例に近い。

 その後に支給されるのが「皇族費」だ。皇室経済法第6条には「独立の生計を営む内親王に対しては定額の2分の1」という規定がある。定額は3050万円であるから、愛子さまへの皇族費は年間1525万円となる計算だ。

 山下さんによれば、最近では三笠宮家の彬子さまが(未婚のままながら)独立された際に初めてこの規定が適用された前例が生まれた。ちなみに彬子さまは「女王」のため、内親王のさらに70%、すなわち1067万5000円になる。

「愛子内親王殿下が独立して宮家当主になった場合、皇族費は純増になります。内廷費は人数が増えても減っても3億2400万円で変わりませんから、愛子内親王殿下の皇族費の分だけ国費の支出は増えます」(山下さん)