『犬のために山へ移住する』より。 画像提供:穴澤 賢氏
都会では、犬を思いきり走らせる場所がなかなかない。そんな環境に限界を感じ、「愛犬と山で暮らしたい」と移住を考える人もいるだろう。だが実際に土地を探してみると、理想だけでは決められない現実が見えてくる。八ヶ岳へ移住した筆者が、山暮らしのリアルと土地選びのポイントを語る。※本稿は、編集者の穴澤 賢『犬のために山へ移住する』(草思社)の一部を抜粋・編集したものです。
人並みの便利を享受しつつ
山暮らしを楽しみたい
私が暮らすのは別荘地だが、読んでいる人の中には「なぜ別荘地なの?山の中や村では駄目なの?」と思う人もいるかもしれない。そういう私も、山の土地を探したこともある。なのになぜ別荘地に落ち着いたのか。
最も大きな理由はインフラである。山には売りに出ている土地はたくさんある。価格も安い。300坪で100万以下なんてざらにあるし、もっと広い何千坪なんて土地もある。
実際に私が見に行った山の土地はこんなところだった。そこは山道から脇道を数百mほど入った土地だった。ちょっと高台になっていて、見晴らしも素晴らしかった。何も知らない私は「ここ最高じゃん!」と思った。誰も入ってこないから静かだし、山々の景色を眺めながらのんびり暮らせそうな気がした。
しかし、そこでふと疑問が湧いた。ガスがプロパンなのはわかるが、電気は?水道は?どうするの?そのあたりを不動産屋に尋ねると、電気は電力会社に頼んでそこまで引かないといけない。その費用がかかる。水道はないから井戸を掘るしかない。井戸を掘ったところで水が出る保証はないし、飲めるとも限らない。
出なかったらどうするの?しかも買ってもない土地に井戸なんか掘れないから確かめようがない。







