山で遊ぶ愛犬2匹『犬のために山へ移住する』より 画像提供:穴澤 賢氏

猛暑が常態化するいま、都会では昼間におちおち犬の散歩もできない。山に連れてきた愛犬が目を輝かせてはしゃぐ姿を見て、移住を決断した筆者。のびのびと暮らせる自然環境の中で、幸せそうに過ごす犬たちとの暮らしは、人にとっても快適なものだった。※本稿は、編集者の穴澤 賢『犬のために山へ移住する』(草思社)の一部を抜粋・編集したものです。

「ヒャッホー!」と大はしゃぎ
山での暮らしは犬にとって好環境

 2拠点生活をしている頃、山へ行く支度をしていると大福(編集部注/著者は飼い犬の大吉と福助をまとめてこう呼ぶ)は敏感に察知して「もしかして、山?」という表情でこちらに探りを入れてきた。しばらく知らんぷりしてから「山、行くか」と声をかけるとふたりでヒャッホー!と大はしゃぎして車に飛び乗っていた。彼らも山へ行くのを楽しみにしていた。

 鎌倉市腰越にいるとき毎朝砂浜を散歩していたが、そこは彼らにとって用を足す場所でしかなく、終わったらすぐ引き返す。

 家にいるときにも、だらーんと伸びてつまらなさそうに昼寝していたが、山へ行くとニコニコになり、ドッグランを駆け回る。その落差はすごかった。

 完全移住してから、彼らはいつそのことに気がつくんだろうと何気なく観察していた。移住してすぐの頃は、荷物のあふれる室内を「何が起きたんだろう」と見ていたが、テンションが高いのはいつも通りだった。以前から山にいるときはずっとご機嫌なのだった。

 これまでも山での暮らしが1週間続くことはたまにあったが、今回はさらに長い。というか、もう腰越には帰らないのである。