ネット通販も翌日には届く。
以上のようなことから、よほど自力ですべてをこなす自信がなければ、別荘地を選んだほうがいいと思う。
世間と切り離されずに
山暮らしはすることができる
山暮らし、と聞けばどうしても自給自足で世間と切り離された生活をイメージするかもしれないが、実際そんなことはない。インターネットも普通に使えるし、スマホが圏外になったりすることもない(キャリアと地域によって異なる)。
私は自給自足的な生活に対する憧れは昔から一切ない。むしろ、そんな生活はしたくないと思っている。かといって都会暮らしはもう嫌だし、でも不便すぎるのも困ると思っている軟弱なタイプである。
そういう私には、八ヶ岳中央高原に位置する別荘地「丸山の森」くらいがちょうどいい。山の麓だけど、車で30分も行けば街がある。繁華街ではないが、生活に必要なものはだいたい手に入る。ネット通販も使えるし、地元のケーブルテレビを引いているので、BSやCSも見られる。テレビはネットに繋がっているから、動画配信サイトや映画配信サービスなども見ることができる。
だから、家の中での生活は都会とそんなに変わらない。違うのは、コンビニもスーパーも歩いては行けないということくらいだろうか。少し不便だと感じるのは、飲食店の数が少ないことだが、街まで出ればそれなりにはあるから慣れればどうってことはない。
どこへ行くのも車移動、という点だけ乗り越えれば、それほど苦労しない。それに渋滞もないし、自然の多い静かなところで犬たちがイキイキして暮らせる。散歩にしても、交通量の多い道路とは違い、ほとんど車が通らない道をのんびり歩ける。大福(編集部注/著者は飼い犬の大吉と福助をまとめてこう呼ぶ)はいつも土や雑草の匂いをクンクン嗅ぎながら、ご機嫌なようだ。犬は本来こういうところのほうが好きなんだなと実感する。
都会のように住宅がびっしり建ち並んでいるわけではなく、別荘地はたいてい敷地が300坪ほどあるので、近所迷惑などもほとんど気にする必要はない。インフラも整っているから、私と同じようなタイプの人もきっと問題なく暮らせると思う。
山暮らしに馴染むためには
家族の意見や人付き合いも大切
ただし、そんな環境に馴染める人と馴染めない人がいる。
ひとりだと自分で判断すればいいだけなのだが、困るのはパートナーと意見が分かれたときだ。たとえば、夫は山で暮らしたいけど、妻は山に一切興味がないケースで、その逆もある。
『犬のために山へ移住する』(穴澤 賢、草思社)
私が知っている人でも、奥様は山に興味がないらしく、ひとりで山で暮らし、ずっと別居でほとんど離婚状態の夫婦もいる。逆に奥様だけで山に来ているケースもある。
都内とほとんど変わらないといっても、やはり不便に感じるかどうかは人それぞれなのだ。でも山に来てうれしそうにしていない犬は見たことがないので、顔を輝かせて走り回っている姿を見れば、夫婦の意見は一致するのではないかと思う。
うちは幸い夫婦揃ってこんな環境が好きで、社交的な性格の妻は私よりも知り合いが多くなっている。別荘地で暮らすのはみんな「よそ者」だから地元特有のネットワークはないと前述したが、近所付き合いはしたほうがいいと思っている。なぜなら都会暮らしの人が山へ来ると最初はもうわからないことだらけで、そのあたりを先輩たちに教えてもらえるからだ。







