年間100世帯以上の相談にのる発達障害専門のFPで、ADHD当事者でもある岩切健一郎氏が書いた『発達障害かもだけど、お金のこと ちゃんとしたい人の本』が発売中だ。本書には「ここまで寄り添ってくれるお金の本は初めて!」「お金に苦手感のある人は全員読んだ方がいい」など、発達障害の有無にかかわらず、多くの口コミが寄せられている。
4月2日~8日は発達障害啓発週間。それに伴い、著述家で、ADHD当事者でもある小鳥遊(たかなし)さんに寄稿いただいた。(ダイヤモンド社書籍編集局)
※現在、正式な診断名は「発達障害」から「神経発達症」へ変更になっていますが、この連載では広く知られている「発達障害」という表現を用います。
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発達障害になると、保険に入れなくなる?
就労移行支援事業所で私が担当している「ピアトーク」プログラムで、こんな相談がありました。
障害者雇用で働くことを選択肢に入れたいのですが、
手帳を取得すると保険に入れなくなってしまうと聞きました」
参加者みんなが考え込む中、私はこう尋ねました。
「障害者手帳があると、保険って入れないものなんでしょうか?」
「ええ……たしか、ネットで調べたらそんな話が……」
その一言をきっかけに、
「もっとちゃんと調べたほうがいいのでは」
「専門家はどう言っているのか」
「そもそも全部の保険に入れなくなるのか」
といった声が上がりました。
大事な情報こそ、ちゃんと調べよう、専門家に聞こう
『発達障害かもだけど、お金のこと ちゃんとしたい人の本』には、こんな一節があります。
例えば、
・発達障害になると保険に一切入れなくなる
・緩和型しか入れなくなる
・保険屋さんに発達障害で入れる保険はないと言われた
・障害者手帳があると保険に入れなくなるから、手帳は取得してはいけない
など。
ちゃんと調べれば健康な人と同じ保険料で入れる保険が見つかることもあるのに、ネットやSNSでは断定的な記事や不確かな発信があまりに多かったのです。
『発達障害かもだけど、お金のこと ちゃんとしたい人の本』(P.203)
お金のことは、つい白黒ではっきりさせたくなります。
しかも不安なときほど、ネット上の断定的な情報に引っぱられやすい。
でも、「本当にそうなのか」「自分にも当てはまるのか」と立ち止まって確かめるだけで、見える景色は変わります。
私が質問をしたのは、この本の一節が念頭にあったからでした。
そして後日、この質問者さんは心から納得して障害者手帳の申請をされました。
「なんとなくダメそう」で終わらせない。
ちゃんとした情報にあたる。
専門家に聞く。
この質問者さんの突破口を開いたのは、まさに「発達障害」と「お金」の専門家による、この一節でした。
中には、「自分は何がわからないのかが、わからない」という人もいるでしょう。まずは本を読んでわからないことを知ることから始めるのもよいかもしれません。






