Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages
高市早苗首相が、公式サイトに掲載されていたブログを全部削除した。その数は約1000本。本人は「首相就任後更新できていなかったので削除した」と述べているが、本当の理由とみられているのは、「消費税について、過去の発言と今の発言が矛盾しているから」というものだ。他にも、38歳の女性アーティストが、26歳のときの対談記事で発言したことを、今になって謝罪するという事態も起きている。5年前、11年前、14年以上前……人間は何年前まで「首尾一貫」していなくてはならないのだろうか。(ライター、編集者 稲田豊史)
5年もあれば人の考えは変わる
今年2月17日、気になるニュースが目に入った。高市早苗首相の公式サイトに掲載されていたブログ記事が、すべて削除されたのだ。その数、約1000本。
その「理由」として有力視されているのが、削除が判明した日の早朝に配信された「『消費減税は私の悲願』は真っ赤なウソ…公式ブログ記事1000本を検証して判明『増税政治家・高市早苗』の正体」(プレジデント・オンライン、2026年2月17日配信)という記事だ。
寄稿者はライター・作家の中野タツヤ氏。今年1月19日に高市首相が発言した「消費減税は私自身の悲願でもありました」という言葉がいかに「ウソ」であるかを、公式ブログに掲載された高市氏の過去発言を引っ張ることで、検証していく内容である。
要は、「以前は増税論者的な発言が目立っていた。前と言っていることが違うじゃないか」というわけだ。
たしかに、政治家が掲げる主張がブレブレでは困る。頻繁に朝令暮改を行う者に社会の舵取りを任せるのは不安だ。そこに異論はない。
ただ、同記事で指摘されている「増税論者的な発言」のブログ掲載日は、2020年11月16日、2014年4月15日、2012年6月17日、2011年12月13日だ。直近でも5年以上前、一番古いと14年以上前である。
「悲願」の辞書上の説明に期間の記載はなく、そのことは記事中でも触れられている。その上で中野氏は「悲願」を「相当な長期間にわたって強く願い続けていること」「10年、20年のスパン」と解釈しているので、その独自定義に従うなら、たしかに「消費減税が悲願だった」は「ウソ」だ。
ただ正直、思ってしまった。5年もあれば人の考えなんて変わる。ましてや14年なんて、と。







