ハイデイ日高創業者の神田正会長 Photo by Teppei Hori
「熱烈中華食堂 日高屋」の強みの一つは、「ちょい飲み」需要に応える業態だ。駅前の一等地に店を構え、夜遅くまで営業し、アルコールを提供する。これは集客の柱である一方、酔客や予期せぬトラブルとの遭遇を宿命づけられていることをも意味する。日高屋はいかにして、アルバイトやパートタイマーを含む多くの従業員を、理不尽なクレームや要求から守っているのか。首都圏を中心に470店舗以上を展開するハイデイ日高の創業者である神田会長が叩き上げで培った「修羅場の哲学」と、現代の組織論を融合させた「クレーム対応の鉄則」を明かしてもらった。(取材・構成/小倉健一)
創業期に学んだ
「風体の悪い人」との距離感
昔は大変でした。私の最初の大宮の店は、夜の12時を過ぎると、いわゆる「風体の悪い人」が俄然多くなるような場所でしたから。
当時のラーメン屋という商売は、そういう方々との関わりが少なからずあったのです。カウンター越しに、こちらの人間性を試されているような毎日でした。私はそのときに最も大事な「距離感」を学びました。それは「中庸の立場を崩さない」ということです。
彼らに「気に入られてもいけない」し、かといって「嫌われてもダメ」なのです。この微妙な関係を保つのが、実は至難の業でしてね。
一番避けなければいけないのは、彼らに「好かれる」ことです。好かれると、一見、店で暴れなくなったりしておとなしくなる。ラクなように思えますが、「用心棒になってやろう」など、お金を要求してくる場合がある。
かといって、あからさまに嫌って突っぱねれば、何をされるか分からない。







