Photo:PIXTA
国民食となりつつあるラーメンを軸に、手頃な価格で中華料理を提供し、老若男女問わず支持を集めてきた「日高屋」と「幸楽苑」。ところが2社の経営成績には雲泥の差がある。日高屋を展開するハイデイ日高は過去最高益を更新する勢いだが、幸楽苑はなんとか黒字を確保するなど苦戦している。似たビジネスモデルでありながら、なぜこれほど差が開いたのか。特集『金利上昇、トランプ関税、人手不足で明暗 半期決算「勝ち組&負け組」【2025秋】』の本稿では、2社の明暗を分けた要因を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 大日結貴)
絶好調のハイデイ日高
戻らない幸楽苑
「日高屋」を運営するハイデイ日高と「幸楽苑」を運営する幸楽苑の明暗が分かれている。
日高屋は420円(税込)の「中華そば」を看板商品とする、“ちょい飲み”がコンセプトの低価格中華料理チェーンだ。店舗は駅前やビル内に出店しており、関東圏で455店舗を展開。25年2月期の連結売上高は前期比14.0%増の556億円、営業利益は同18.9%増の55億円で、過去最高益を更新した。
一方、幸楽苑も490円(税込)の「中華そば」を看板商品として掲げ、郊外のロードサイドに駐車場付きの店舗を展開しており、ファミリー層の需要も取り込む狙いだ。25年3月期の売上高は前期比3.6%増の277億円、営業利益は前年の3300万円から10億6300万円へと回復した。
新型コロナウイルス禍前の売上高を比較すると、ハイデイ日高は422億円(20年2月期)で幸楽苑は382億円(20年3月期)と、その差は40億円だった。ところが足元ではその差は279億円に拡大。もはや2社をライバルと言うことさえはばかられるほどだ。ハイデイ日高は、26年2月期も過去最高益を更新する見通しで、その勢いはとどまるところを知らない。
なぜこれほどの差が生まれたのか。次ページでさらに深掘りしていく。







